人が夜に身近に感じる恐怖というものに対して真摯に向き合った作品です。物語は恐ろしくて、でもどこか優しくて、続きを見るのが少し怖いのに、気がつけば次へ次へと見てしまう、そんな惹き付けられる作品です。
恐ろしき怪異の幻覚が見える少女と、怪異を恐れず、恐怖を求める先輩。そんな彼女たちが最期に見た怪異は、物置の中の箱にある赤子の死体だった。そしてそこから降りかかる悲劇。本当に恐ろしいのは、生きた…続きを読む
真夜中。外を歩いているとふと何かの存在を感じる。もちろん何もいないが、瞬間、闇の不気味さを感じて悪寒が背筋を撫でる。そういう「何か」を感じさせる息遣いが、この物語には潜んでいる。ホラーとし…続きを読む
一人で下校できないくらい、誰よりも恐怖を恐れる七子。恐怖を求め続ける正木先輩は、美しい笑顔で、七子に付きまとう。この世ならぬ幻覚を見る七子は、恐ろしいものに囲まれているのに。それでも七子と正…続きを読む
ホラーあるいはミステリーとして本当に面白いです。また少女の青春物語としての一面もきちんと書ききっていらして、人間関係、またそのへんの心理描写が丁寧であり、暗さの中にも豊かさがあります。文体がすっき…続きを読む
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