何が幻覚か、何が現実か読み進めていくうちにわからなくなっていく。現実だと思っていたものが幻覚であったり、幻覚だと思っていたものが現実であったりする。しかし、たとえそれが幻覚であったとしても、その時その瞬間に感じた恐怖だけは確かにそこにあり、その恐怖は心の奥底にじっとりと染み込み、そして私たちの現実を次第に捻じ曲げていく。この物語には、恐怖が息衝いている。
恐いという気持ちは本物と言う台詞が響きました。恐怖と向き合う中で生まれる美しさを感じさせられた古典のような幽玄と言うべき物語でした。
一人で下校できないくらい、誰よりも恐怖を恐れる七子。恐怖を求め続ける正木先輩は、美しい笑顔で、七子に付きまとう。この世ならぬ幻覚を見る七子は、恐ろしいものに囲まれているのに。それでも七子と正…続きを読む
何が本当で何が幻か捉えられない描写がゾクゾクします。魅力的な登場人物と衝撃的な展開に終始目が離せません!読後の余韻が素晴らしいです。師匠シリーズなど好きな人にも強くオススメします。もし叶うなら、…続きを読む
とても恐ろしく、美しく、そして……優しい、物語です。この作品は夜のように静謐な一枚の絵画。描かれているのはある一人の少女・七子と、彼女を取り巻く世界。彼女の傍にいるのは、恐怖を好む、美しいひ…続きを読む
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