何が幻覚か、何が現実か読み進めていくうちにわからなくなっていく。現実だと思っていたものが幻覚であったり、幻覚だと思っていたものが現実であったりする。しかし、たとえそれが幻覚であったとしても、その時その瞬間に感じた恐怖だけは確かにそこにあり、その恐怖は心の奥底にじっとりと染み込み、そして私たちの現実を次第に捻じ曲げていく。この物語には、恐怖が息衝いている。
真夜中。外を歩いているとふと何かの存在を感じる。もちろん何もいないが、瞬間、闇の不気味さを感じて悪寒が背筋を撫でる。そういう「何か」を感じさせる息遣いが、この物語には潜んでいる。ホラーとし…続きを読む
何が本当で何が幻か捉えられない描写がゾクゾクします。魅力的な登場人物と衝撃的な展開に終始目が離せません!読後の余韻が素晴らしいです。師匠シリーズなど好きな人にも強くオススメします。もし叶うなら、…続きを読む
ホラーあるいはミステリーとして本当に面白いです。また少女の青春物語としての一面もきちんと書ききっていらして、人間関係、またそのへんの心理描写が丁寧であり、暗さの中にも豊かさがあります。文体がすっき…続きを読む
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