真夜中。外を歩いているとふと何かの存在を感じる。もちろん何もいないが、瞬間、闇の不気味さを感じて悪寒が背筋を撫でる。そういう「何か」を感じさせる息遣いが、この物語には潜んでいる。ホラーとしては勿論、誰にも共感されない悩みを持つティーンエイジャーである七子の成長物語としても読み応えがある。
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自分の感じること、考えることが生きていく上で障がいになってしまう。主人公は、そういう人々の中の一人で、これを書いている私自身もその一人です。名も知らない誰かの視線、心を掻き乱す喧騒、言葉に隠れる…続きを読む
全て終わったあとのラストシーンはちょっと切なくて、しかし不安がまとわりつきながらも魅力的だった世界が暗い森を抜けたような開放感。途中何故か涙ぐんでしまった。
ホラーあるいはミステリーとして本当に面白いです。また少女の青春物語としての一面もきちんと書ききっていらして、人間関係、またそのへんの心理描写が丁寧であり、暗さの中にも豊かさがあります。文体がすっき…続きを読む
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