夜に溺れる

真夜中。外を歩いているとふと何かの存在を感じる。
もちろん何もいないが、瞬間、闇の不気味さを感じて悪寒が背筋を撫でる。

そういう「何か」を感じさせる息遣いが、この物語には潜んでいる。

ホラーとしては勿論、誰にも共感されない悩みを持つティーンエイジャーである七子の成長物語としても読み応えがある。