少女たちの夜の絆。その名を、恐怖と云う。

とても恐ろしく、美しく、そして……優しい、物語です。

この作品は夜のように静謐な一枚の絵画。
描かれているのはある一人の少女・七子と、彼女を取り巻く世界。
彼女の傍にいるのは、恐怖を好む、美しいひと・正木先輩。

奇妙で不気味な幻視の数々、
七子と先輩が歩く夜の空気、
そして遭遇する/した怪異……

それらの全てが、読者を奇妙な世界へと誘います。
悪夢のような光景は、私たちを身も竦む恐怖へと叩き込む。
……けれど、それと同時に、この物語は優しく、慈愛に満ちてもいるのです。

七子の「目」を借りて、共に違う世界を見てみましょう。
それが、その意味を知る方法です。

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