ドラッガーの「マネジメント」を読んだだけじゃこうならない☆

とあるホークル(女子・アイドル並みに可愛い)が、とある酒場のウェイトレスとして働くことになった。そこは、この世界で盛り上がりつつある「フッボル」という競技を観戦しながら飲み食いして騒げるスポーツバー。奇妙奇天烈な見た目と発言の裏で研ぎ澄まされた分析力と決断力を身に着けた酒場マスターの下で、彼女はウェイトレスを続けていく……つもりが、気付けば経営者になっていた。

以前、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」というのが話題になった。これもこれで凄い発想だったが、こちらの作品は、それをさらに超えている。いや、次元が違うと言っても良いだろう。作中に出てくる分析や心理戦、そして戦術など、スポーツばかりでなくビジネスの世界でも応用できるものがある。
異世界で誕生した新スポーツなんぞルールすらわからないのに、何故か「にわかファン」になれるほど知識が蓄積されていくのは、作者さまの丁寧で面白味ある描写力にあると言える。自分もビールを片手に、大きな画面で観戦したいくらいだ。

強いチームは、抜群の能力があるプレイヤーがいれば良いってものではない。冷静沈着で大胆な決断のできるリーダーがいれば良いってものでもない。縁の下の力持ちに徹することのできるナンバー2がいてこそ成り立つものだと、教えてくれる名作です☆

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