とあるホークル(女子・アイドル並みに可愛い)が、とある酒場のウェイトレスとして働くことになった。そこは、この世界で盛り上がりつつある「フッボル」という競技を観戦しながら飲み食いして騒げるスポーツバー。奇妙奇天烈な見た目と発言の裏で研ぎ澄まされた分析力と決断力を身に着けた酒場マスターの下で、彼女はウェイトレスを続けていく……つもりが、気付けば経営者になっていた。
以前、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」というのが話題になった。これもこれで凄い発想だったが、こちらの作品は、それをさらに超えている。いや、次元が違うと言っても良いだろう。作中に出てくる分析や心理戦、そして戦術など、スポーツばかりでなくビジネスの世界でも応用できるものがある。
異世界で誕生した新スポーツなんぞルールすらわからないのに、何故か「にわかファン」になれるほど知識が蓄積されていくのは、作者さまの丁寧で面白味ある描写力にあると言える。自分もビールを片手に、大きな画面で観戦したいくらいだ。
強いチームは、抜群の能力があるプレイヤーがいれば良いってものではない。冷静沈着で大胆な決断のできるリーダーがいれば良いってものでもない。縁の下の力持ちに徹することのできるナンバー2がいてこそ成り立つものだと、教えてくれる名作です☆
この作品、すごく面白いです! 激しくおススメします。
世紀末な異世界のスポーツバーでバイトする事になったホークルの女の子ミオちゃんが、何故かいきなり店を任され謎のスポーツに動員されて才覚を発揮しバーの経営もスポーツの方でもメキメキバリバリ活躍して遂には世界平和にも貢献しちゃったりするお話なんですけど、でたらめみたいな遊びの天才マスターがカッコいいしわんこなトミーはババンガバンバンギダで可愛いしチームの団結はアツイし弱小チームの成長に泣けるしマナミーズはキュートだしオープンハート様がボヨ〜〜〜ンなんですよ! アネゴなミオちゃんが毒吐きながらも頑張り屋さんで凄すぎるんですよ!!(息継ぎ)
ポンポン飛び出す名言に唸り、知略を巡らせる試合運びに痺れ、手に汗握る攻防に涙し、国を背負い死力を尽くして戦うモヒカン男達に胸を熱くし、モリモリ繁盛していくバー運営にワクワクしていたら恋愛要素まで絡んできちゃって、かと思えば最後の最後に特大の山場が! 読んでるこっちはもう感情が大忙しです!!
興奮しちゃってすみません。レビューを書くためにちょっと確認するつもりが、うっかり全話読み返してしまうという罠に陥りまして。恐るべし、イギーダ様。
と、そんな感じの作品です。すごく面白いです! GO! GO! ブラウザーバックス!
とにかくガンガン仕事をこなす!
デキる女子の痛快爽快、ほんのり恋も味わえる駆け上がりストーリー!
これは本当に面白いです。
主人公・ミオは人間から見れば小人の種族。小さくても、度胸と仕事の腕は超一流なのです!
その仕事というのが。アメフトチームのマネージャー(監督)が経営するスポーツバーのウェイトレス、だったのが、いつの間にかお店のほとんどを仕切るように…
さらに、チームの戦略や運営まで…!?
どこまで仕事広げる気だよ!とツッコむ間もないほどに、どんどんスピード上げて駆け上がってしまうのです。
この女子、有能&パワフルすぎ!!
異世界でのアメフト事情も面白いです。
スポーツ発展のために、こちらの世界から召喚された人間が各チームのマネージャー。
選手は人間とそれ以外の種族が色々。
種族の配分などがチームの特徴でもあり、そこに対応した戦略が求められるのは異世界ものならでは。
体格差が大きすぎて(30mのドラゴンって!)戦略以前のようにも見えるけど、ちゃんと工夫して試合しちゃうんですよね。
ゲームの模様もしっかりと描かれます。白熱したシーンの数々、ファンたちの熱狂が文字から見事に伝わってきます!
頑張る女子のお仕事ものとしても、様々な種族・国が入り乱れる異世界ものとしても、プロスポーツものとしても楽しめる、ハイレベルなエンタメ小説!
ぜひ、一緒に声をあげて声援を送りましょう!
GO GOノーブラ!!
頑張れミオさん!!
ファンタジー世界にアメフトが持ち込まれて、国ごとに威信をかけて試合をするという変わった世界観です。
主人公の女の子はそんな世界の中で、スポーツバーのウエイトレスを始めるのですが、いつのまにやらチームの運営までまかされて……。
小説でフットボールの描写をするのはとても難しく思えますが、作者さんはそれに果敢に挑戦し、ひとつのチームが成長していく過程をスポーツバーのウエイトレスという変わった視点から描写することに成功してます。
また途中で語られるマスターのチーム運営に関する哲学にも説得力があり感じ入るものがありました。
プロスポーツが好きな方にお薦めです。
スポーツが好きな人は絶対に読んで欲しい!
逆に苦手な人はもっと読んで欲しい!
異世界を舞台としているのでスポーツのルールも独特です。基本はアメフトやラグビーの類のようですが、書き方が初心者視点で書かれているので、とにかく読みやすい!
サッカー選手の知識があるとムフフとなる面白さもありますし、野球も若干あると思います。
でも、一番の見所はスポーツ選手を支える裏方の存在。これの面白さが堪らない!
監督もある意味で裏方だし、ファンを盛り上げるスタッフも。そして経営も含めてエンターテイメントに仕上がっている作品。
私は今まで、こんなに興奮したスポーツ小説と出会った事はありませんでした。
この出会いに感謝。そして、執筆して下さった作者さまに更に感謝致します。
最後に一言。
マナミーズ最高!! ファンクラブ入ります!!
異世界で行われている「フッボル」という競技。
それは、どうやらこちらの世界のアメフトに似ています。
各国に正式なスポーツチームがあり、選手達は国を背負って戦っています。
そのスポーツチームの一つ。
『ノールランド・ブラウザーバック』の快進撃を綴ったのが、この物語です。
私自身、スポーツと言えば屋内競技歴が長く、正直屋外でする競技なんてルールがほぼ分かりませんが……。
いや、これ。
面白いですよ。
主人公で、スポーツディレクター兼選手兼ウェイトレス兼アイドル兼(その他諸々)の、ミオの解説がうまいので、競技の描写にはぐいぐい引き込まれます。
ルールを知らなくても、観客席に座って「うおおおおおおっ! 走れぇぇぇっ」と選手に叫んでいる気分になります。
スポーツというのは、国や法律や人種や差別をとっぱらって、一時的に共通のルールの中、同等の条件のもと、公平に行うものだと思っています。
だから、熱くなるんですよね。
ドラマも生まれます。
そして。
本当に、『平和』があってこそ、スポーツって楽しめるんですよ。そんな当たり前のことに気づかされました。
スポーツで、勝敗にこだわった経験がある方。
このお話。
お勧めです。
スポーツバーという存在を、なんとなくしか、知らなかった自分です。
スポーツのルールに関しても同様でした。
ですがですがっ!
ミオさんの丁寧な案内に導かれ、いつしかどっぷりと、このスポーツバーにはまってしまっていたのでありますっ
手に汗握る試合で、応援し喜んだり悔しがったり、一緒に参加させて頂き、とても楽しかったですー!
経験と体力と頭脳、スポーツ選手の位置や役割、そしてスポーツに対する国同士の関わり方など、丁寧に書き込まれたそれらの展開も見どころ満載でして本当に楽しかったです♪
拝読させて頂く幸せを、これでもか~というぐらい感じました。
ありがとうございます!
ミオのなんとも可愛い語り口に、ルールもよく知らないスポーツ「フッボル」の世界に引き込まれます。
まあ平たく言う所のアメリカンフットボールだとは思うのですが、これがなんとも視覚的に楽しく、また作戦の妙などもあって、門外漢でもばっちり楽しめるように書かれています。
スポーツものならではの熱い展開、楽しいキャラクター達はもちろんですが、ここではスポーツと共に酒場の経営なども絡んで、かなり庶民的なところから、多角的に物語が語られていきます。
こう書くと、ちょっと混乱するかもしれませんが、物語は実にシンプル。
チームの快進撃、勝利と共に、酒場もまたどんどんと大きくなり、看板娘のミオはますます大忙し!といういたって楽しい話になっております。
そうそうミオをカゲにヒナタに支える「マスター」の存在も忘れてはいけません。酸いも甘いも嚙み分けた、まさに渋い中年。このマスターとのやり取りがストーリーを力強く進めていきます。
異世界が舞台と言うことで、その良さを取り入れつつ、スポーツを題材にした社会的なテーマにも切り込みつつ、さらにはミオの恋の物語まで入れ込む盛りだくさんな内容。
軽くて楽しい感じなのに、とても読み応えのある物語です。
ぜひ読んでみてください。
異世界スポーツもの。
スポーツものとはいいつつも、メインは裏方。というよりスポーツものと思わせつつお店の経営ものになり、途中恋愛ものの要素が挟まれ、そして最終的にはクラブチームの運営と、ストーリーが進むにつれどんどん話が大きくなっていきます。最初はまさかこんなにも話が膨らんでいくとは思いませんでした。最後の最後では世界を巻き込んだ大ごとになってますしね。このかなり大胆なストーリーラインは素晴らしいの一言です!
序盤の方はコミカルなシーンが多いですが、後半はだんだん真面目になっていき、試合シーンとかも熱い展開があって読み応えのある作品です。ファンタジーだけどお仕事もので、さらにラブコメ要素もあり、幅広い層にウケそうな内容だと感じました。
「読むものに困ったらとりあえずこの作品を読め!」と強気にオススメできる作品かと思います。これは読むべき作品です。面白いです。
現代日本で言う「スポーツバー」の異世界バージョン。テレビは無くて、水晶でスポーツ観戦をする。主人公は他種族に馴染めない少女。少女の見聞を通して、物語は進んでいきます。ライトノベルにしてはセリフは少なめで、謎のスポーツの解説が多いが、何故かサクサク読めてしまう。最後の方は異世界に平和をもたらしたはずのスポーツが、政治的に危うい面を見せるなど、一気読み必至の作品です。そして最後の最後には恋愛要素もあり、あらゆる面から魅せられました。主人公の少女の視点から描かれているのに、少女の気付かない心の成長や変化を、くまなくすくい上げる書き方はさすがに玄人のなせる業です。スポーツを通じて他種族を敬遠していたはずの少女が、人間の話を聞くようになったり、馬鹿にしていた少年を応援していたり、とにかくスムーズに心の変化が描かれています。
少女がこのスポーツの初心者という設定から入るので、少女の理解と読者の理解がリンクするのも良かったです。謎のスポーツに、いつの間にか感情移入して、選手たちを応援したくなる素敵な作品です。
スポーツが好きな方も、苦手な方も、この作品を読んで祝杯を挙げましょう。世界の平和のために。
サッカーファンを自称するなら、まず目を通して欲しい。
よりによってそいつらか! というどこかで聞いたことのある選手達が、異世界で激突!
熱い展開に胸を躍らせているうちに、気付けば本作のもう一つの魅力、『経営・マネジメント』の虜になっていく……。
スポーツ対戦と経営の波状攻撃、時に挟まる軽妙な笑い。テンポよく楽しい、小気味よく泣ける。
そして次々と襲い来る無理難題に対して、思わず唸り声を上げてしまうロジカルな解決策。
……これぞ大人の思考を持った高校生のための、いや、高校生の頭のまま大人になった男のためのスポーツドラマ!
御作者様が某協会からおしかりを受けるその日まで、熱く応援するものです!
(なお。このレビューは危険を察知した場合自動的に消滅します)
日本人にとってスポーツバーという場所が、もう少し馴染みのある場所になっていれば、この作品は頭ひとつ抜きん出た人気を確保しているかもしれない。
スポーツバーがもう少し市民権を得ていれば、それだけでこの作品を手にする人が増えると思う。
そして手にする人が増えたなら、多くの読者が虜になるであろう傑作と言える。
実際、私はスポーツバーには行ったことが無く、アメフトもよく分からない。
だからこそ、この作品を手に取るのが遅くなってしまったと言っていい。
気にはなっていながらも、スポーツバーという単語に「ピン」とこなかったからだ。
けれど読んでみれば、作品の魅力に取り憑かれた。
題材の面白さ。
一人称視点となる主人公をここに定めた面白さ。
メインの題材を取り巻く様々なドラマの面白さ。
笑いあり、感動あり。
時に、実際にスポーツ観戦している時に味わう様なあの背筋のゾクっとくる感覚を、本当に体感する事が出来る。
ストーリーの主軸も程よい重さを持たされていて、秀逸なラストが心地よい読後感をくれた。
オススメです!
タイトルどおり、ホークルの女の子ミオが世紀末の場末のような(?)ヒャッハーな居酒屋でアルバイトとして働き出したところから、機転の良さとパワフルさ、チャキチャキした姐御肌でスポーツバーを切り盛りし、さらにはスポーツチームのブレインに……と駆け上がっていく、勢いのある物語です。
争いの絶えない異世界の国々が、スポーツで勝負することで平和を取り戻していくという素晴らしい背骨がある中で、個性的なキャラクター達が時に熱く、時にコメディに立ち回ります。
頭と体を働かせてガンガン働いていき、周りからも頼りにされるミオですが、彼女もやっぱり過去の戦争で心の傷を負っていたりします。
そんな彼女も、様々な人と接し、様々な経験をする中でその過去を乗り越えて前進する。
サクセスストーリーだけでなく、そういった彼女の内面的な部分も見守りたくなります。
迫力ある試合の描写では、アメフトの緊迫した試合状況がまるで実況を聞いているようにリアルに伝わってきます。
ルールを知らない私でも手に汗握るドキドキを味わうことができました!
スポーツを見ていると選手たちの“反射神経”の良さに大変驚かされる。もちろん打球を追う技術も素晴らしいが、状況に応じ多角的に反応する頭脳は、極限の精神状態の中でも的確な行動を選択するようだ。そういった意味での反射神経も我々観客をおおいに唸らせる。体と体のぶつかり合いも見ごたえがあるが、日本人が好きな“間”を魅せてくれる。技と技、力と力の対決に頭脳戦が加わり、スポーツ勝負とはなんとも奥深い。今年の夏もたくさんのドラマが生まれるに違いない。
さて、本作『ウェイトレス・ミオの異世界スポーツバー「イギーダ」繁盛記』は、主人公ミオの視点で書かれた完全固定の一人称。チームマネジメントに関わってゆく彼女はフィールドプレイヤーではなく裏方的な立場。その目に映る関係者たちの姿。それが物語のキモとなる。
題材は“異世界アメフト”。実は私、ルールを知らない。専門用語も聞いたことがあるかな? 程度の知識しかないのだが、本作はそれでも問題ない仕上がりになっている。競技の描写は話が進むにつれ長くなっていくのだが、“選手が頑張って動いてますよ”的な最低限の情報提供がなされているからだ。物語もフィールド外で展開される部分が多く、結果、読者は政治と世界情勢に関与するスポーツの在り方を考えることとなる。アメフトを知らずとも楽しめる小説となっている。
作者の叶氏、わりとぽんぽんアイディアが出たようだ。全五十話、一ヶ月半ほどに渡る連載の中で、必要に応じて必要な量の設定をつぎたしたあとが見受けられる。老舗うなぎ屋の秘伝のタレのような高等技術だが、読者の反応を見ながら書いたのではないか? ならばそれにこたえた叶氏の作家としての力量にはおそれいる。“アドリブ”の連続だったと思われるが、氏の筆は柔軟に対応しきった。だが、それでも日刊連載ではかなりしんどかったはずだ。叶さん、あんたの作家としての“反射神経”は名選手の域だぜ!
作中……叶氏の考えがわかる箇所がふたつあった。これはスポーツ好きな氏のメッセージだと思うので紹介したい。
試合終了を待たずして、ミオの“役割”が終わるシーンがある。これは“スポーツの主役は選手”という意味持たせのように思える。マネジメントサイドが主役の本作を否定するのならば矛盾ともとれるが、物語を完結させる前ぶれとして素晴らしいと感じた。
もうひとつ。実は“移籍の容認”というのが終盤のちょっとした伏線になっているのだが、これは陽のあたらない場所にいる選手たちを救ってほしいという叶氏の主張なのかもしれない。私も同意見である。控えや二軍にもスター候補はたくさんいるはずだ。彼らのサクセスストーリーを見たい。
水晶玉が見せてくれるスター?たちが、あなたの心にタッチダウン(笑)! みなさんも本作を読んでスポーツの夏にそなえましょう! ラストは秀逸です!
結論から言うと、熱く、そして面白い作品でした。
世紀末な異世界で、戦争で血を流れるのを防ぐために始まった各国同士のアメフトスポーツが主なテーマなわけですが、その描写がとても濃密かつわかりやすい。
アメフトのルールを知らなくても、大体の流れがどうなっているのかがわかったし、何より展開が熱いのでついつい読んじゃいました。
そのスポーツに関わる上で、酒場のウェイトレスである主人公の奮闘っぷりが描かれるのですが、これまたコミカルで楽しい。
様々な苦労をしつつ才能を発揮して出世していく様が心地いい。
最終回は、思えば遠くに来たものだと振り返っちゃいますね。
スポーツ、労働、経営、政治、そしてちょっとしたラブコメ。
それら全てが丁寧に合わさった作品、超オススメです。