ぶっ飛んだ美少女と平凡すぎる僕の宿命の恋

まずもってヒロインの『あめあがりさん』にとにかく惹かれます。
その行動力、ビシッとした言動と思想、彼女の背負う過酷にして大きな宿命、外見とそのファッションなどなど、一般人を寄せ付けないような強烈な個性があります。
普通の男子であれば『惹かれても、つい引いてしまう』そんな感じのヒロインです。

しかしそこに宿命の出会いを果たすのが誰よりも平凡な『もっくん』。
物語はこのもっくんの視点を中心に描かれていきます。
そしてこのもっくんフィルターの優秀さゆえに、読み手もまた彼女の魅力にズルズルと引きずりこまれてしまうんです。

そして物語が進むにつれ、ヒロインに負けず劣らずの強烈キャラクターが現れます。
彼女を取り巻く環境がいかに大変であるか、それを証明するようにサブキャラクターも暴れまわります。
嵐のようにストーリーも進んでいきます。

そしてこの物語の面白いところは、周囲が異常性を発揮すればするほど、なんだか主人公とヒロインの絆がすごく純粋なものに見えてくる、というところにあります。
錯覚のような、だまし絵のようにも感じられるのですが、物語が進むにつれてその関係性が透明になっていくような不思議な感覚でした。
なかなかこんな感覚が味わえる物語はありません。

キャラクターやストーリーの独特さはこの物語の特徴の一つですが、時折ハッとするような表現が出てくる、文章に遊び心があるのもこの物語の大きな魅力。
カオス渦巻くストーリー展開の中にもスッと芯が通っている感覚はこの作者様独特の持ち味だと思います。

物語はまだ連載中ではありますが、是非読んでみてください。
連載を追いかける楽しみもまた読書の楽しみの一つではないかと!