細胞同士の緊迫のやり取りに、手に汗を握りながら拝読した作品。

 この作品は、人間が、いや、人体が舞台の一風変わった作品である。
 人間の細胞が擬人化され、敵の襲来(病原体など)と戦う。細胞たちの個性は豊かで、「人間関係」も細胞の役割に基づいていて、とても面白く拝読することが出来た。人体や細胞のことが分からない人でも、これが「人間」ドラマとして読めるから素晴らしい。
 さらに、この細胞や人体の持ち主である登場人物の生活も垣間見ることができる。つまり、細胞の「人間」ドラマと人物の人間ドラマが一度に味わえるお得、かつ、不思議な世界観を生み出している。
 拝読していてとても面白かったです。また、着眼点や描写の独特な感性に打ちのめされました。欲を言えば、もっと拝読していたかったです。
 是非、ご一読ください。

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