物語は世界を恐怖で侵食していた真の魔王が何者かに倒され、その人物が名乗りをあげないため、一騎当千の強者達を集めトーナメントを開催して最強=真の勇者を決めるという展開で裏では様々な陰謀が進行していくのだが、まず登場人物達が魅力的かつ強さの説得力が素晴らしい。突出した純粋な個としての力を持つものもいれば、集団としての総力で戦いに挑むものもいる。それと同時に強さの説得力がありすぎるせいで殆どの登場人物に親しみなどは全く感じられない。
ここまで異質なキャラクター達を生み出した力は見事の一言である。
こんな奴らが命のやり取りをすれば面白くないわけがないし、同時進行する陰謀と少しずつ明らかになる謎もハラハラしてしまって、時に直視できなくなることが必死だ。
物語、特にファンタジーはその世界に没入してハラハラワクワクするものだと思っているが、自分がこの世界にいったらもうこの世界と殆どのキャラクターが恐ろしくて仕方ない。ホラーじゃないのに読んでいるだけで恐怖を感じる。謎と恐怖と陰謀と闘争が混在した見事な作品だと思う。
作者にはまだ完結もしていない段階から完敗だと告げたい。
たくさんチートキャラが出てきます。
最初からレベルMAXの状態のような描写を丁寧に書き上げています。
作者さんも話している通り、マンガの喧嘩稼業に通ずるものがあります。
違う点としては、主人公と位置付けられたものがないことです。
そして、主人公のかわりに、誰が最強なのか?ということに焦点を当てています。
いろんな形の最強があり、それを元にした人物像がとても魅力的です。
なのにもかかわらず、惨殺されたり敗退したり。。。
先にも言った通り誰が最強なのかが軸なので読んでくうちに愛着が湧いてきたキャラが次の瞬間どうなってしまうかも予想ができないです。
正直、アルスやキアは読んでる最中に「はぁ!ふざけんな」って思いすらしました。
誰が最強なのか?もしくは、どういう形をもって最強と表現するのか?今後の話も非常に楽しみです。
ネット全盛の今、小説なり漫画なりを書いて発表できることが昔に比べ遥かに簡単になっている。
その最先端がこの「カクヨム」だったり「なろう」だったりするわけだけど、その点でラノべという分類は更に二つに極端化しつつあるように感じていた。
つまり、ライトなラノベと、ヘヴィなラノベ。
近年の作品発表の簡単さから、ライトなラノベが増えてきつつあるように思っていた。
つまり、スナック感覚で摘まめる「軽い」ラノベ。
それ自体は悪い事ではないと思う。
結局小説なんて面白ければそれが正義だ。
だからライトなラノベ、(面白ければ)いくらでも歓迎です。
だけど時にはこう、ガツンと腹の底へとクる感じの、
ヘヴィなラノベを読みたくなる。
ガチガチの設定。重苦しい文章。改行少な目。
流血が多いと尚好みだ。
この「異修羅」は、その全てを満たしてくれる作品。
やばい、読んでいてここまで楽しいのは久しぶりだ。
登場人物にそれぞれ深い設定があり、舞台にも裏があり、それでいて物語はシンプルに最強決定トーナメントとという判りやすさだ。
実のところ、ラノベでトーナメント戦ってのは定番の一つであると思う。そこらのTUEEEE系作品三つ四つ開いてみれば、大体トーナメント戦のエピソードがあることだろう。
でも。
それは物語の一部であって。
メインに据えられたものではない。
意外なことに、ネットのラノベにおいてトーナメント戦っていうのは定番のエピソードなのに、それだけを主軸に据えた作品というのは滅多に……というか、僕はこの「異修羅」が初めてだ。
シンプルに、誰が最強か。
だけど裏には、誰が勇者なのか。
最強たちの思惑と、彼らを取り巻く思惑。
読者をワクワクさせるシンプルさと、
読者をやきもきさせる謎の部分。
その二つが更に読者をワクワクさせてくる。
シンプルで、複雑で、そしてガツンと来る作品。
直球ど真ん中。ただし超豪速球。
重たい作品好みなら、絶対に読んで損は無し。
――それぞれに『最強』たりえる風格と個性を備えた十五の英雄達が上覧試合へと参加し、雌雄を決する。
潔い程にシンプルな筋立てなのに、次から次へと現れる登場人物たちが濃厚過ぎて、一晩で一気に読み進めた結果、鼻血が出た。
エントリーにはハイファンタジーでしばしば見かける種族と職業が並んでいる筈なのに、その組み合わせの妙と、各々の戦闘理論の究理の度合いといったらもう……ちょっとこれはヤバいですよ。サイアノプには本当にやられました。
どの出場者一つとっても、○○と○○がもし闘わば、といった思考実験に読者を誘う魔力があり、今後の展開が非常に楽しみです。