死んだ祖父と、美しい幽霊の秘密


祖父の葬儀の夜、主人公の千夏は幼馴染の功から、祖父の秘密を打ち明けられる。それは若い頃の祖父が、戦時中の中国で美しい少女と婚約していたというものだった。
そしてその夜、親戚の雛子から、この家には幽霊がいると告げられて……

祖父の過去と不可思議な幽霊をめぐる、文学的なホラー小説。
全体的にしっとりとした雰囲気が漂い、丁寧な文章に好感が持てます。作者様は戦時下の中国についてしっかりと調べられたのか、怪しくも煌びやかな上海の情景が鮮やかに浮かびました。

詳細は伏せますが、今度こそ『彼女』が元気で、幸せであればいいと思います。