宇宙には、沢山の不思議と沢山の真理が詰まっている

 どこからか現れた謎の流星群。
 地球に迫りくる流星は、一体どこからやってきたのか。
 予測不可能な宇宙の謎と真摯に向き合い、新たな発見や知見を得ようとする科学者たちのお話。
 王道のSFであり、宇宙の不思議と奥深さがしっかりと描かれた作品です。

 人には聞き取れない『星の歌』。何らかの意思を有していたとしても、あまりにも壮大すぎてとても全容を掴めない彗星と流星群。
 ちょうど「ソラリス」においてスタニスワフ・レムが描いたように、宇宙には、人には未だ理解できない何かが存在するのかもしれない。けれど、作品の中でセーガンが述べたように、いつか遠い未来には、それを理解できる日がくるのかもしれない。だから彼らは観測を続ける。事象を観測すること、それが科学の始まりであり、理解への第一歩なのだ。
 だからどうかこの物語を読んで、未だ見果てぬ宇宙へ思いを馳せてほしい。

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