ビルヂングの3階に事務所を構える新聞記者、裏島。
彼のもとに集まる面々は、人間あり、アヤカシあり。
何を隠そう、裏島はアヤカシ記事専門の記者なのだ。
電気ではなく蒸気機関が発展した、大正25年の東京。
魅力に満ちた人間とアヤカシが各々の不安をかかえ、
裏島の事務所へと、謎解きの相談を持ち込んでくる。
主要な視点人物である女学生のあおいを筆頭として、
奇妙な美青年の一助、私服センスゼロな憲兵の犬村、
といった個性的な彼らは、謎めく何かを持っている。
短編連作の形式で展開される、軽快なアヤカシ活劇。
癖が強く且つ愛嬌のあるキャラクターが皆ステキで、
ページを繰る手が止まらなかった。おもしろかった!
随分前に一気に読み終えていたのに報告が遅れましたが、とても面白かったです……!
主人公であるあおいちゃんはもちろん、どの登場人物たちも立っていて、誰一人埋もれてしまうことはなく。それぞれの人たちの思い、考え、そういったものが生き生きと伝わってきました。
アヤカシたちも個性的で、それぞれに愛おしい点があり、時折切なさも感じるなどして……。
描写が巧みで、自分も皆と一緒に蒸気都市を歩き回っているかのような気分になりました。わくわくしながら、次はどうなるのだろう? と読み進めているうちに、あっという間に終わっていました……。素晴らしい、その一言に尽きると思います!
個人的にはシュテンちゃんと犬村さんの関係性がとっても好きです!!
このお話だけでも大満足でしたが、続編があるとのことでしたら、とても楽しみです。
最後になりますが、とても有意義な時間をくれる作品をありがとうございました!
身長が高くものぐさでも面倒見のよい記者、裏島正雄。
彼の事務所に入り浸る、よく言えば快活、悪く言えば計算高い押しかけ助手の女学生薮内あおい。作中の語り部として主だって彼女の視点で話は進みます。
二人のところに飛び込んでくる依頼はアヤカシ絡み。
来歴の旧い猫又や雷獣など、和モノになじみがない方も見覚えがあるはず。
舞台は電機ではなく蒸気機関が発達した大正二十五年の帝都。
レトロフューチャーの代名詞ともいえるスチームパンクとアヤカシの混交によって懐かしくも新しい独自世界を構築しています。
裏島と憲兵犬村。それに手伝いの酒口一助。妖しい美少女シュテンとの掛け合いも楽しいレトロモダンなミステリ作品。
本編を読み終えた方、一話二分ほどで読めるSS集もどうぞ。
時は蒸気文明の発展した大正。アヤカシ達が人間社会でひっそりと暮らしている。
文明の発展と共に人々はアヤカシの存在をゆっくりと現実から切り離して行く。
そんな中で、アヤカシ達との関係を密にする者達も存在する。
アヤカシ記者と名乗る新聞記者、彼の助手の書生、女学生。さらに憲兵の青年。
彼らの周りで起こるアヤカシがらみの騒動は、時にはほのぼのと、時には深刻に、物語に引き込んでくれます。ミステリーにカテゴライズされてもいいほどに、謎がちりばめられた事件に心踊らされます。
しっかりと練られた世界観と、作者の愛をたっぷりと注がれた登場人物(アヤカシ)達が、読みやすい文章でつづられていて、ついつい時を忘れて読みふけりました。
ぜひ、彼らの物語を読んでいただきたい。
存在を忘れられると消えてしまうアヤカシ達が、消えてしまわないように。
大正×妖怪×スチームパンクという濃い世界を描きつつも、とても読みやすい作品です!
『事件記者トトコ!』のイメージで読ませていただきました!
世界観もさることながら、キャラクターが魅力的です。
新聞記者、女学生、憲兵さん。レトロな雰囲気の中、柔らかなキャラクターたちが事件を解決していきます。
世界観、キャラクターだけでなく、シナリオも秀逸でした。
トリックにはアヤカシや科学技術がきちんと組み込まれ、説得力抜群です。
文体も固すぎず柔すぎず、大正の雰囲気を出しながらも読みやすかったです。
気が付いたら第一話を読み終えていました。
これから第二話を読もうと思います!
コンテスト、応援しております!
ミステリー要素が色濃く、様々な魅力がオードブルのように盛り込まれている。
それらの魅力は互いをミスマッチさせることなく、互いをさらにひきたたせており、作品をより素晴らしいものへと昇華している。
文体は堅苦しいものではなく、比較的読みやすかった。
以前から少し読んでおり、さくさく第一話を読み終えて、ふう、とひと区切り。
レトロな世界の話なのに、この現代においてなお、生き生きしている。
これには作者である黄鱗きいろさんの高い執筆能力の現れなのかもしれない。いやはや脱帽です。
毎日連載されているということなので、頑張って最新話に追いつけるように読み進めていきます!
スチーム&ミステリーもの。
あやかしを題材にした和風ファンタジーでありつつも、話の本筋はミステリー色が強く、そこにスチーム要素がアクセントとして入ってくる。様々な要素がてんこ盛りで、面白くないわけがない作品。一見バラバラな要素ですが、そのどれもが非常に相性がいいものばかりであり、その結果魅力的な作風に仕上がっているところは素直に素晴らしいと思いましたね。
一応連載中ということなので星は二つにしておきますが、ここまで夢中になれる作品はなかなかないと思います。人に勧めたくなる作品でした。ではまた完結時にお邪魔します。面白かったです。ごちそうさまでした!
1/9追記:完結おめでとうございます。最後まで面白かったので、星追加しておきます。