諜報員明智湖太郎

作者 十五 静香

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★★★ Excellent!!!

大正の情景が鮮やかに瞼に宿る

ソシュール曰く、言葉にはフィニシアンとフィニシエなるものがある。例えば浪漫と書いたら、ちょっとハイカラな印象がする。これがフィニシエだ。本作はそういう、言葉が孕む情景を見事に使い、日帝時代を表現したスパイミステリだ。

筆者は第1章までしか読めていないが、帝国陸軍が出てくるだけでご飯三杯食べれる人や、豚骨系ではない塩味ベースのさっぱりとしたミステリが好きな人は特に本作をお勧めする。

日帝時代の日本の情緒を鮮やかな文体で描く本作は、紛れもなく第2回カクヨム大賞ミステリ部門の予選通過に恥じない力作である。