終焉の笛の音は鳴り始め…
難なく今日も終わろうとしている。日が沈みかけているのが牢屋の窓から、見え、家族が恋しい…というような気持ちになるのだ。
心配していないだろうか。ちゃんと生きているだろうか。考えれば考える程…
不安が膨らむばかりで自分が置かれた状況すらも、忘れてしまいそうな勢いだ。
けれども、刻一刻と迫りつつある、俺の死刑執行日…余命と言っても過言ではないだろう。
兎にも角にも…まずは少しでも良い…証拠を見つけなければ…アイツらはきっといい奴だと思う。
……………ただ一人を除いて。
何だか無かったことにされそうに記憶もなるが、俺は覚えている。
アイツ…(椎莵)は何かを知っている。
だから、俺は捕まえられ、今この状況下なのだ。
東雲も䴇杜も本当はそこまで悪いヤツらに見えない。
まぁ、俺が考えていた結果そう言う風に思っただけだが…。
聞き込みから、始めるか…
「なぁ、䴇杜…?」
俺が食堂に居る時にこっそり聞いてみた。
すると何時もの様に悪戯っぽい笑みを浮かべて。
「んー?どうかしたんか?そんな深刻そうな顔で」
こいつがそう言うのも無理は無いだろう。だって、俺は今、どんな顔をしているのかすら、分からない位に混乱していて、もしかしたら、笑ってすら居ないのかもしれない。
だって、タヒぬ事は誰しもが体験する……
………けれども、それが決まっているのであれば話は別だ。
恐怖………人間の感情なんて無ければ楽だったのか?等と今は、考える必要が無いことまで考えてしまう始末だ。
で、無駄に笑っている䴇杜だけれども、此処ではかなり長く捕まっていると子耳に挟んだ事があった。
だから、コイツに聞くのが1番だと俺は思った。
だけれど、その前に䴇杜には聞きたい事があった。
……それは
「此処に来て何ヶ月か経ったな。そろそろ教えてくれよ…䴇杜の罪状を…」
俺は知りたかった。もしかしたら、コイツが手伝ってくれるかもしれない相手ならば、コイツの背負っている罪を聞きたかった。
何かを隠しているのは目に見えている。
少し俯いたと思えば俺を見て
「教えてあげてもええで?後悔しないんだったら…」
後悔………もうしてる。けれども、乗り越えられたら……。
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