過去+今=地獄?
5秒ほどの間が流れ、椎莵が語りかけるように話始めた…。
「まぁ、そこ迄深刻な、訳では無いんですよ?ほんの少し、貴方が関係しているだけです。」
俺はその最後の一言を聞いてもっとソイツが言っている事の意味が分からなかった。「二十二時間前に、初めての出会った男」だったはずなのに、何が「関係している」のかが、全く検討がつかなった。
其処でやっと自分から、聞くことにした。
「おい、何で、俺はこんな所に閉じ込められている?俺には家族だって、居たのに…」
俺が肩を竦めてそう言うと、椎莵は、笑い始めた。一瞬「はぁ?」などど、言いかけたが止めることにした。代わりに思いっきり鉄格子の柱の隙間から、睨みつけた。すると……
「何をそんなに、怯えた犬のような眼をしているんです?」
笑いを堪えながら椎莵は、そんな言葉を吐き出した。その言葉を聞くと同時に俺は立ち上がって…
「意味がわかんねー!!俺は、何もしていないのに、何で、こんな辺鄙な、場所に来てまで笑われないといけないんだよ!?」
思っていた事を言ってしまった…っと言うような気持ち…即ち「後悔」の感情に苛まれた。と、そんな風に思いながら頭を抱えていると、椎莵が…
「クスッ……後悔も後で、幾らでも、どうぞ?ですが、今は、もっと大事な事をお知らせしに来ました。まぁ、知ってらっしゃる通り、此処は監獄ですが、貴方が何故、此処に連れてこられたのかの理由をお教えしましょう…」
少し身震いをし、今から聞かせられる事についての対策…いや、それを受け入れる事が出来るだけの「心の準備」とやらを始める事にした。
それを見透かす様に椎莵は、俺に…
「心の準備は、出来ましたか?まぁ、そんなに、頭が良さそうには見えませんがねぇ…」
一瞬殴りかかってやろうかと思ったが、止めた。何故なら、こんな場所に居るだけでも、吐き気がする程嫌なのに、時間を延ばしたくない、もう一つは、脚に重りを付けられており、身動きをするだけで、体力を消費するからだ。怒りが込み上げている俺をまるで、ゴミでも見るかの様に見下していた。
「では、お話しましょうか。貴方が此処に居る理由と、私が貴方と話をしている理由を……」
その言葉を聞いた瞬間、自分の鼓動が上がった事を知った。
これからの日々はきっと「楽」なんて、ものとは無縁となるだろう……
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