ちょっとしたサプライズを妖怪に。

タイトル通りの、現代あやかし物語ですが、陰湿さやおどろおどろしさは無く、ライトな感じです。かといって某◯夜叉みたいなギャグでもなく、物語シリーズに近いのですが、あそこまで読む人を選ばないと感じました。

主人公の青年は、その年代にありがちな他者との境界を作りたがる病(?)の真っ只中で、その設定も物語の不思議さと相まっています。

かといって終始、幻想的な雰囲気で彩られている訳ではなく、クラスメイトのキャラクターを通して、しっかりと現実と幻想の書き分けがなされており、読後に更なる興味と安心感を覚えます。

カフェの主人が語る、あやかしと現世との関わり方が、実に飄々としていて好みでした。

短編では勿体無い物語です。

ぜひ、続編を読みたいなと思わずにはいられませんでした。

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