幻想ファンタジーと文学的表現の融合

舞台は架空の王国ガレイア、そこに暮らす人々の短編集です。
最初はファンタジー小説と思って読み始めましたが、独特の言葉、紡ぎだす文章の雰囲気が、なんとも文学的です。
著者の方はフランス文学を専攻なさっているということで、この独特の物語が生まれたのだな、と納得しました。
雰囲気に浸って文章を追い、ガラス越しに物語を眺め、登場人物の心の中に人の深淵を覗き見る。そんな作品だと思いました。