『死』を探してさ迷った少年が、たどり着いた一つの答えとは?

死体になりたい――。

そう願ってさ迷い続けた少年の前に現れたのは、何色にも染まらない完全無比の闇を纏った男だった――。

といった感じに始まるストーリーですが、はっきり言って、心の綱渡りをしているかのような奇妙な感覚に落とされました。

おそらく、この作品は落ちろうと思えばどこまでもダークな世界に落ちるはずです。しかし、それに抗うように作品全体を包む優しさが、アンバランスなまま、読者を繊細な心理描写に誘います。

注目すべきポイントとして、いくつもの問題を抱えた『僕』が登場してきますが、それらを丁寧に解決へと導くストーリーは、暗闇の中で見る光のように思えました。

素晴らしい作品と、綱渡りに成功したような楽しい時間を提供していただき、ありがとうございました。
ぜひ、みなさまも一読をオススメします!! 作品を演出するネコたちがお待ちしてますよ!

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