『死』を探してさ迷った少年が、たどり着いた一つの答えとは?
- ★★★ Excellent!!!
死体になりたい――。
そう願ってさ迷い続けた少年の前に現れたのは、何色にも染まらない完全無比の闇を纏った男だった――。
といった感じに始まるストーリーですが、はっきり言って、心の綱渡りをしているかのような奇妙な感覚に落とされました。
おそらく、この作品は落ちろうと思えばどこまでもダークな世界に落ちるはずです。しかし、それに抗うように作品全体を包む優しさが、アンバランスなまま、読者を繊細な心理描写に誘います。
注目すべきポイントとして、いくつもの問題を抱えた『僕』が登場してきますが、それらを丁寧に解決へと導くストーリーは、暗闇の中で見る光のように思えました。
素晴らしい作品と、綱渡りに成功したような楽しい時間を提供していただき、ありがとうございました。
ぜひ、みなさまも一読をオススメします!! 作品を演出するネコたちがお待ちしてますよ!