全てに愛されたいと願った、全てを愛したかた。だから死を望んだ。

 ロルフは「我儘」なのかもしれない。
 愛されたいと願い、守りたいと誓った母が自分を顧みないと知った時、その苦痛から逃れるために死を願った。

 彼が子供だから?いや違う!

 誰もが誰かを愛したい、誰かに愛されたい。殆どすべての人がそんなささやかな願いを持っている。
 愛しているから相手のすべてを受け入れ、相手の望みを叶えようとする、自分を犠牲にしてでも。
 結果、擦り切れ、疲れ、自分の行く末を見失ってしまう。

 ロルフは幸運だったリグと出会ったから。

 ロルフは幸運だったパメラが居たから。

 絶望と困難に出会った時、そこには生きる兆しが表れる。
 手を伸ばすかどうかは貴方次第だ。


 血と暴力までもが優しさを強調する文章に憧れます。
 少しの切なさが香る「人の優しさ」を味わう物語。

 


 

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