殺し屋×死にたい少年×猫

死ぬために廃ビルの屋上を目指したロルフ。
そこにいたのは、死体をオブジェのように飾り立てた殺しリグ。
殺してくれ。というロルフの願いをリグは断る。
そこからロルフとリグの奇妙な関係が始まった。


ロルフがなぜ死体になろうとしたのか。
リグは何故殺し屋を始めたのか。
そういった疑問が、少しずつ、それでいてストレスなく解消されていく構成のおかげで、そういうことか。と登場人物たちの言動に納得し、共感しながら読み進めることができました。

育った環境も、体験した経験も違う、普通に生きていれば出会うことのなかった2人が過ごす奇妙な空間。
そこで人間の事情などしらず、自由気ままに過ごす猫たち。
全体的な雰囲気はシリアスだというのに、優しく和やかな空気も感じられる。リグという殺し屋と同じく全体的に不思議な雰囲気に満ちています。

家族、個人、存在意義、善悪など様々なことを考えさせてくれる物語です。

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