この小説は、音楽でもあり絵画でもある、ひとつの芸術ですぜ!

メロディが心の中に流れています。
聴いたこともない旋律なのに、とても心地よいのです。

一行目に視線を落としたところから、そのメロディが始まります。
ありきたりな、既成のポップスではありません。
読み進めると、メロディに誘われて、観たことのない絵画が心に描き始められます。二つが交わり、とても美しいハーモニーへと昇華していきます。

この掌編は、読み手の心に文字を使って音楽を奏で、絵を描いてくれます。最後の一行に触れたくない、もっと聴きたいし観たいのに……

もう一度レコード盤に針を落とすように、一行目から読んでみましょう。

言葉をこれほど美しく輝かせる物語は、男性にもぜひお読みいただきたいなと願います。

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