読み手の心を映す色彩都市

夜の中で浮かび上がる色彩都市がたいへん鮮やかでした。
視覚はもちろんのこと、聴覚や触覚にまで訴えかけてくる描写によって、色彩都市を歩く感覚を疑似体験しているような気分になってきます。
こういう作品は、どちらかと言うと色彩都市に映る語り手の心象風景が鮮やかになっているものが多いし読みやすいと思うのですが、
この作品は読み手の心象風景を映し出す、ということに挑戦されているように私には見えて、
それが追体験するような描写によって成功していて、素晴らしいなと思います。

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