概要
その王国の午後は、人外にして全裸の美少女が残酷に支配する。
あんたがどこに生まれても、どんな身分になっても。
あたしは必ずあんたを見つけるんだから。
今度こそ、あたしがあんたといっしょになるんだから。
——ねえ、そしたらさ、今度こそあんたとあたし、ずっとずっと遊んで笑って暮らそうね。
第五回本物川小説大賞、参加作品。
あたしは必ずあんたを見つけるんだから。
今度こそ、あたしがあんたといっしょになるんだから。
——ねえ、そしたらさ、今度こそあんたとあたし、ずっとずっと遊んで笑って暮らそうね。
第五回本物川小説大賞、参加作品。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!悲劇と修辞。救いに満ちたサロメ
オスカー・ワイルド。耽美主義の創始者にして劇/童話作家。アイルランドに生まれ、「芸術のための芸術」を標榜し、みずからも最大の芸術家として君臨した、英文学界の巨星である。
まず今作を初読したとき、その構成の妙に驚いた。2話構成の短編であり各話は時間的にも、筆致的にも、その意味にも、大きな隔たりを持つ。端的に言えば1話は悲劇であって、2話はそれに対する願い、答え、救済だと感じたのである。
悲劇作家として有名なワイルドであるが、実はイギリス伝来の風俗喜劇、社交界を舞台にした軽妙なコメディを復活させた喜劇作家としての功績も、非常に高い。しかして彼の著作はみな一貫して、童話であれ悲劇であれ喜劇で…続きを読む