世話が焼けるストラトスと私

　都内の小さい商社の翻訳部門に勤務する倉田良一は幼少の頃に祖母の村を訪ねた折、帰り際にイタリアのラリー車であったランチア ストラトスに乗せてもらう。
　その後都内に住んで結婚した良一はクラシック カーとなった動かないランチア ストラトスを購入したが、仕事が多忙でレストアがなかなか進まなかった。そして出張で訪れた米国アトランティック シティのカジノで勝った軍資金をつぎ込んでレストアを終わりにしようとした矢先、癌に侵されていることが判明する。
　良一はレストアされたばかりのランチア ストラトスをしばらく預けるために実家に帰ることにする。