しばらく涙が止まらなかった
- ★★★ Excellent!!!
どんな人でも自分の居場所を作るのにそれなりの努力が必要だとは思う。
しかしこの作品に登場する才能ある若い二人にとって、それは過酷なことだった。
心のままに普通に暮らしたいだけなのに、それが何故これほどまでに難しいのか。
特に主人公の一人のそれまでの生い立ちからは絶望しか感じない。
一方で二人の親友を含めた三人の交流からは、人が人を想うとはどういうことか、について深く考えさせられる。
また当作品はLGBTについて正面から切り込んでいる。
最近何故かLGBT作品に触れる機会が多いのだが、数年前に書かれたこの作品は今でも異彩を放っていると思う。
ぜひ多くの人に読んで欲しい。
読了後、私はしばらく涙が止まらなかった。