現実味のあるファンタジー

登場人物の職業や世界観などは懐かしい感じのRPGそのものですが、この宿屋で展開される人間模様はどこか現実味があり、やってくる冒険者たちの問題点もファンタジックな味付けはしてあるものの、現代でもありそうなものが多々見られます。
つまりこれはファンタジーでありつつ、現実のお仕事小説でもあるという一粒で二度美味しい作品なのです。
宿屋にやってくる冒険者達は問題児ばかりですが、どこか憎めない人物も多く、この人間臭さがこの作品の味となっています。
奇想天外な冒険とはまた違う、地に足の着いた人間(だけではないですが)ドラマが味わえる、とても魅力的な作品です。

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