宿屋のオヤジVS注文の多い冒険者!

海洋世界のダンジョン「アマンデイ」で宿屋の主人を務める主人公。

ダンジョン内の宿屋だけに宿泊客は冒険者ばかりで、いずれも劣らぬくせ者揃い。そんな冒険者相手に時にはクレーム対応に追われ、時には機転を利かせて無茶な注文を見事に切り抜けるというお仕事もののお手本のような作品。

やたらと食事の注文が細かい、夜中に隣の部屋から大きなあえぎ声が聞こえてくるといった現実世界でもありそうな問題から、素性を明かさぬ忍者や子供エルフの応対などファンタジー世界ならではのものまで、その内容は盛りだくさん。

一見、個性的な客ばかりが目立つように思えるが、読んでいると毎回客に振り回されつつもプロ意識をしっかり働かせて、満足して帰ってもらえるよう頑張る主人公に自然と愛着が湧いてくるし、彼の下で働く従業員も良い奴ばかりで読み終えるころにはこの作品世界が好きになること間違いなし。

異世界が舞台ということもあってか、過度なクレーマーが登場してもそこまで嫌な気分にもならないし、一話完結形式でサクサク読めるのもグッド。

(「もしかしてブラック!? お仕事が大変に思える作品」4選/文=柿崎 憲)

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