破天荒な若君と、勇敢な少女が織り成すジュブナイル

いや、凄い。
何が凄いって全部凄いからどうしようってくらい。
とにかく面白かった!

物語は勿論のこと、ストーリーを引っ張る、吸血鬼である若君と主人公のさつき。そして相棒のマーちゃんとその周りを固める内羽家の人々、神父様。
キャラがとにかく立っていて、誰一人いなくなっても物語が物足りなくなる、そのくらい素敵な登場人物ばかり。

『敵』として描かれる人物にも、しっかりとそこへ至る理由付けがなされていて無理がなく、且つそれが優しく物語を締めてくれます。
ネタバレになるので書けないのが、もどかしいくらい。

十代特有の少し無謀とも取れる好奇心、でもそれを補って余りある勇気。
ラストの戦闘シーンは手に汗握ります。

読後には、心にさっと、爽やかで優しい風が吹き抜ける。

ドキドキして、クスッと笑って、ハラハラして、ホロリとして。
一粒で四度おいしい、極上ファンタジーでございます。

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