カッコいい!
…のひと言に尽きると思うのですが、いかがでしょうか?
ちょっと気怠げな主人公に、凛とした美人の平さん、真面目な純ちゃん、いろいろ狂ってるウィズ。それぞれの熱いハート、そしてアクションがカッコいいんです。
特に、スピードに乗って一気に読めるバトルシーン、最高でした。
スマホが時間泥棒という点を否定できないのが辛いところ。
それが人外の存在のせいだったら… という設定にため息。
だけど、この本編を読むのもレビューを書くのもスマホからなんだけどな…
私たちに取り憑いたグラトンはどうされるおつもりかしら、費さん?
現代病とされる【スマホ依存症】。普通の人でもスマホに時を奪われたという経験があると思う。もしそれが【グラトン】という妖魔のせいだったら? それを退治している人間がいるとしたら? という物語。
文章が絵として見える作品だと感じた。正直、小説として読みづらいところがある、と思った……が、私はこの部分を+として評価している。なぜなら、小説でもなく映像でもなく、【漫画】として考えると、スムーズに想像できる、絵として見えやすい、それどころか映えているとさえ思った。
おそらくだが、漫画になった時のことを意識して執筆されたのだと、勝手に思っている。そして、文章から浮かぶその絵がカッコイイ! 戦闘描写など心躍った。文章がデザインされているイメージ。
ぜひ、漫画として読んでみたい作品である。
世の中には私たちの時間を消費させる様々な物事が溢れている。
それが昨今のスマートフォンの普及に伴い、より顕著となった。
私たちの時間は見えない何かに――貪食な怪物「グラトン」に狙われるようになってしまったのだ。
現代社会を表した(風刺した?)題材は実に興味深い。あらすじを読んでぐぐっと惹かれてしまった。
かくいう私も、グラトンに取りつかれて暇さえあればスマートフォンやPCを弄っているような人間だ。
本作を読んでいると「画面の向こうには貴重な時間を費やすだけの価値があるか?」と問われているようで、苦笑いを浮かべるばかりである。
戦闘場面はスピード感に溢れる中にいくつか戦術も取り込まれており、一気に読ませてくる。
一方で、主役が誰なのか、それぞれのキャラクターの役割が何であるか。そのあたりがぼやけてしまっていたのが残念なところか。
大好きな伝奇物。魔物がでてきてそれを倒す少年少女たち。
それだけでも十分に萌えられる私ですが、そこに風刺を挟み込むアイデアが秀逸。
スマホを使う時間は妖魔に喰われているからだ、まるで「妖怪ウォッチ」のような理屈をアクションストーリーに大真面目に組み込んでいる。
そこに正統派の退魔師をからめ、つらい過去と、それに向き合う主人公たちというテーマ、フュージョン的合体要素でヒーロー性までかもし、次々に飽きさせない展開を提供してくれる。
最後まで楽しく読める作品だろう。
……まあ、なんだかんだ言っても、最後はウィズのかわいらしさがずるいの一言に集約されるのだが(笑)。
この物語に内心ひやっとさせられる人は私だけじゃないはず。
自分はスマホを操作しているのか? それとも操作されているのか?
社会風刺の効いた作品です!
世界観がとても面白い。
グラトンの性質が宿主のはまってたアプリによって決まるところとか奥が深いです。続編を期待させるような終わりでしたが、今後いろんなグラトンが出てきたりして…? と楽しみに待ってます。
アクションもリズミカルで非常に爽快。
言葉を巧みに扱って見せ場を作っています。
各話エピソードタイトルも趣向を凝らされていてクール!
それにしてもスマホ依存の物語をスマホで夢中になって読んでしまって、うーん、悔しいけど矛盾……笑
スマートフォン依存をさせ、人間の時間を貪り食う怪奇生物、グラトン。なんとも斬新な妖怪の登場に先を知りたくなって読み始めるが……。
少し頼りなさげな主人公だが、スマホを掲げて『賢女』を呼ぶ姿がかっこよく、バトルの方法(限りなくゲーム的)もかなりいい(>_<)。そのバトルですが、現代の少年少女に対する訴求力はかなり高いと思われます。つまり今風であって時代にマッチしていると思いました。
一話毎の最後にある域な演出――【Now Loading......】がまたオシャレでいいですね。
ソシャゲと現実の怪奇生物退治を融合させたスタイリッシュ現代アクション。漫画映えは当然のこと、ゲーム化しても売れるであろうこの小説を読まずして何を読むっ。
ということで皆さまも是非、時代に即した現代アクションを堪能してください(⌒∇⌒)
読んだ瞬間に嫉妬しました。
構成自体は現代モノのありふれた妖怪退治に見られがちですが、とんでもない。
言葉遣いや専門用語の組み立てがすさまじく今風です。
アプリゲーム的な効果音やアナウンスを巧みに取り入れた文体も現代的。
スマホ依存症をこう理由付けして来たか。
古色蒼然とした妖怪退治をこう味付けして来たか。
現代の病巣を、若者らしい斬新な切り口で書き綴る。
これは、古臭い文芸誌などでは絶対に発芽しない文才ですね。
主人公自身もスマホ依存症で、ゲーム大好きというのも読者から共感を得やすいでしょう。
さらにはダブルヒロイン制。
おまけに可愛い使い魔までくっ付いています。主人公をお父様呼びするなんて狙い過ぎです。キュンキュンします。
漫画になることを想定して、一定間隔で大ゴマに耐え得る「見せ場」を入れているのも狡猾です。
現段階で、漫画原作コンテスト応募作であることを最も意識できている小説だと思いました。
これに大賞を取って欲しかったです…。
残念…。
ファザコン気味なウィズちゃんはこの夏、一番萌えました。
人は、どうしてスマホに依存するようになってしまったのか。
時間を費やす行為は、自から望んでいるようで、その実、時間を奪われている。そんな本質を、本作は暗に示唆しつつ、現代人なら誰しも感じたことのある屈託を刺激し共感を呼ばせ、説得力を持たせることに成功しているのは(愚直な言葉で恐縮だが)発想の大勝利と云えよう。
『人間の時間を喰らう妖怪変化』と云うイメージの難しくないバケモノとの接点を、現代の社会問題『スマホ依存』に上手く落とし込んでいる点が魅力の一つであり秀逸。
ギミックとしてだけではなく、キャラクター同士の属性、及び配置に於いても言及したい。作法を守らせて受け入れやすくした上で、時々露出する作者的なフェチズムに頬が緩むこと間違いなし。
ありがちな現代の妖怪退治モノとは、明白に一線を画しているとひなち的には思います!
バトルがスタイリッシュ☆
んでもって、ひなち的に、ウィズちゃんヤバいよ。『お父様』ってなに、呼ばれたいですよ、本当に。だって欲しいもん。そう思いません?
ウィズちゃんに時間を喰べて欲しい同盟、発足したいです。あ、でも本を読む時間をこれ以上奪わないで......。