着眼点が素晴らしい新世代向けスマホアクション

読んだ瞬間に嫉妬しました。
構成自体は現代モノのありふれた妖怪退治に見られがちですが、とんでもない。
言葉遣いや専門用語の組み立てがすさまじく今風です。
アプリゲーム的な効果音やアナウンスを巧みに取り入れた文体も現代的。

スマホ依存症をこう理由付けして来たか。
古色蒼然とした妖怪退治をこう味付けして来たか。

現代の病巣を、若者らしい斬新な切り口で書き綴る。
これは、古臭い文芸誌などでは絶対に発芽しない文才ですね。

主人公自身もスマホ依存症で、ゲーム大好きというのも読者から共感を得やすいでしょう。
さらにはダブルヒロイン制。
おまけに可愛い使い魔までくっ付いています。主人公をお父様呼びするなんて狙い過ぎです。キュンキュンします。

漫画になることを想定して、一定間隔で大ゴマに耐え得る「見せ場」を入れているのも狡猾です。
現段階で、漫画原作コンテスト応募作であることを最も意識できている小説だと思いました。

これに大賞を取って欲しかったです…。
残念…。

ファザコン気味なウィズちゃんはこの夏、一番萌えました。

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