ぶつかり合う鋼鉄、圧倒的質量の暴力に心が震える!

300m級の巨大人型兵器〈歩行戦艦〉が撃ち合い、殴り合う!
この作品の魅力を抜き出せばそうなりますが、とにかく描写の密度が素晴らしい。
まさに「巨大ロボが動けば一体何が起こるのか」を突き詰めている描写は、読んでいて大変興奮させられます。カクヨムロボ作品の中でも一位二位を争うほどに、レベルの高いロボ描写が全編に亘って展開されています。
この質量の暴力を読んだなら、心躍らない訳が無い!


そして世界観やキャラクターにも魅力が溢れています。
特にシルバーというロボ娘ヒロインの存在は、この砂塵と放射性物質に塗れた世界にあって、一種の清涼剤のようなものかも知れません。天真爛漫、純粋、時に気持ちの良いほど明快にこの廃惑星を生きて行こうとする少女は、大変な魅力ですね。
そんなシルバーと対を成すようなヨゼフにしても、渋くて、格好良くて、抜け目が無くて、大変ツボです。まさに”この環境で生き残って来た”事に対する、説得力の塊みたいなキャラでした。


これが全編10万文字程度に収まっているとは思えないほど、充実した読後感に満ちております。
非常に密なロボ描写を望んでいるようなロボ好きには、必読の作品です!

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