何を例えに挙げれば伝わるだろうか?
アレコレ悩んだ末に選んだものが、士郎正宗原作のアップルシード。中でも、全編がCG映像だった映画Appleseed alpha 。あの世界観を連想して欲しい。
世界大戦だか最終戦争だか何だかで理性的な文明社会が崩壊し、それでも人類は逞しく生きている、みたいな作品。
アップルシードみたいな男女のペアは登場しない。世紀末の世界なりに男も女も登場するけど、恋愛感情に立脚した男女ではない。
ヒロインに焦点を当てており、秋葉系オタク狙いの作品かと思う。ステディは不在と言うお約束が守られています。
また、巨大ロボも魅力の一つ。超時空要塞マクロスの旗艦(単艦だけど)みたいなのがノッシノッシと地表を歩く。
この設定が作品タイトルの由来だ。
ロボットに話を戻すと、マクロスよりも鉄人28号が近いな。リメイク版OVAの迫力ある鉄人。原子力エンジンて言うのも近い。
その巨大メカの格闘シーンの描写が文字数的には半分。好きな人には堪らないし、そうでない人には食傷気味に感じられるだろう。読者を選ぶだろうが、それだけ個性的だと言うことです。
個人的には、駆逐艦を鎧として装着した巨大メカの勇姿をCGで見てみたい。
300メートルもある超巨大戦艦『ウォーカー』。
その一つである『サンダーチャイルド』。その巨体から繰り出す重厚感溢れる動作。これだけでも心を奪われた物です。
そしてその機体に乗るのはロボ娘シルバーちゃん。彼女の愛嬌溢れる可愛さはこの錆びた世界に清涼感を与え、そしてその健気さは応援をしたくなります。
そしてリリウムさん。僕のタイプですはい(笑)。彼女が出てくるだけでちょっとだけ興奮しています(笑)
他にも頑固なヨゼフさんなど魅力的なキャラ。そして謎に満ち溢れていながらも泥臭いストーリーは本当に素晴らしい物です。
遅くなりましたが、完結おめでとうございます。素晴らしい物語を、どうもありがとうございました。
300m級の巨大人型兵器〈歩行戦艦〉が撃ち合い、殴り合う!
この作品の魅力を抜き出せばそうなりますが、とにかく描写の密度が素晴らしい。
まさに「巨大ロボが動けば一体何が起こるのか」を突き詰めている描写は、読んでいて大変興奮させられます。カクヨムロボ作品の中でも一位二位を争うほどに、レベルの高いロボ描写が全編に亘って展開されています。
この質量の暴力を読んだなら、心躍らない訳が無い!
そして世界観やキャラクターにも魅力が溢れています。
特にシルバーというロボ娘ヒロインの存在は、この砂塵と放射性物質に塗れた世界にあって、一種の清涼剤のようなものかも知れません。天真爛漫、純粋、時に気持ちの良いほど明快にこの廃惑星を生きて行こうとする少女は、大変な魅力ですね。
そんなシルバーと対を成すようなヨゼフにしても、渋くて、格好良くて、抜け目が無くて、大変ツボです。まさに”この環境で生き残って来た”事に対する、説得力の塊みたいなキャラでした。
これが全編10万文字程度に収まっているとは思えないほど、充実した読後感に満ちております。
非常に密なロボ描写を望んでいるようなロボ好きには、必読の作品です!