「何故人は嘘をつくのか?」を私なりに考えてみました。
「人から良く見られたい」それが私の答えです。
人に自分を良く見せたい時、人に見られたくない自分を隠す時に人は嘘をつく傾向があります。
そして一般的に嘘には「善い嘘」と「悪い嘘」があると言われています。
しかし善意でついた嘘が善い嘘、悪意でついた嘘が悪い嘘になるかというとそう単純ではありません。
本人が良かれと思ってついた嘘が、結果的に悪い嘘になることが多々あるからです。
だから私は「善意・悪意関係なく」嘘をついたことで「良い結果が出れば」善い嘘、「悪い結果が出れば」悪い嘘だと「周りの人が決める」という結論にたどり着きました。
あなたはどう思いますか?
この作品を読んで「嘘」というものに向き合ってみてはいかがですか(^_^)
この作品を読みながら、幼い頃の後ろめたさと、どうしようもなく逃げ場のない感覚を思い出していた気がします。
いろんなことを考えすぎて結果的に誰かを傷つけてしまったこと、そんな人にも優しくしてくれる誰かが居て余計に自分が惨めに思えたこと、見抜かれたようにいじめられて何故か安堵したこと……。
幼い頃に体験したささくれ立った気持ちが、この作品に散りばめられていた気がしました。
私はそのことを忘れたくないのだろうか、それとも忘れたくても忘れられないのだろうか。
未だに自分が距離を定められない幼い頃の気持ちを思い起こさせてくれるような、そんな素直な気持ちの詰まった短編でした。
小学生による恋愛もの。
一つの嘘が肥大化していきどんどん状況が悪くなっていく展開だが、その展開に持っていく一連の流れは小学生特有の素直になれず融通がきかない心情を巧みに描写しており、とてもリアリティのあるものになっていました。読み手に納得させながら物語を進めるその技術はお見事の一言です。
また構成が素晴らしかったです。無駄のないスマートな起承転結により、綺麗に物語が終わるところがよく、確かな筆力を感じました。前述の心理描写といい、恋愛ものとして気持ちよく読み終えることができました。
是非とも多くの方に読んでもらいたい、そんな作品でした。ごちそうさまでした!