こんな境遇に陥るのは嫌だな。

10年ちょっと前だったか、アメリカの「ロスト」と言うドラマが日本で流行った。飛行機が事故を起こし、乗客は孤島に投げ出される。でも、その孤島には秘密が隠されていて…と、シーズン5か6まで続いた人気番組だった。レンタルビデオ屋の棚を占領したもんだ。
本作品は、そのドラマと雰囲気が似ている。

似ているのは雰囲気だけで、世界観も訴える内容も全く違う。ロストが竜頭蛇尾だっただけに、最後までレベルを落とさなかった本作品には賛辞の拍手を贈りたい。

その本作品だが、数をこなした読者なら、序盤から中盤に移り始めた段階で、「どうなるの?」との疑問は抱きつつ、ある程度は展開を予測できるだろう。
でも、眼目は其処には無い。どこまでネタバレに抵触せずに言えるかだが、本当の主人公は別にいる。序盤の主人公は重要なキーマンで、彼が物語を完結させるが、真の主人公の心境。そして、それ以外の登場人物の心境が真骨頂だ。それらを際立たせるためにも、新世界の開拓時代を作者は選んだのだと思う。

十分に読み応えの有る作品です。
星の数が少ない理由は、単に作者がアピールに戸惑っているだけだと思う。偉そうに言う私自身、どうしたら注目を集められるのか? 是非にも知りたいものですが。

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