★きっとその死は無駄ではない

ずっとレビューを付けてたつもりだったんですが、つけていなかったので。
様々な視点からただ一つの死について語られる本作。
視点主の「国籍」「年齢」「身分」、そのすべてが違うため、本作で出てくる七人の視点主を追えば、どんどんとこの世界に没入していくこと間違いなし。
しかし、これだけならただの凡作。
この作品の最も大事な場所は第八話。
七話までに出てきた『七人の視点主』、そして原点である『M』。
Mの遺言と共に明らかになっていく真実と、遺言に言及していく七人の視点主。
二万文字という明らかに異質な長さを誇る第八話だが、この八話にはそれだけの価値がある。
遺言と視点主の移動も非常に綺麗であり、読んでいて違和感を感じることもない。
そして、なにより最後の三百文字。
これがこの作品の良さを数段高くしている。そんな気がした。
正直、未だカクヨムでこれを超える作品に出合えてない。そんな一作。
ぜひご一読を。

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