ネット小説界のダンゴムシ、日陰に住み着き豊饒な大地を育む。

 「俺はネット小説界のダンゴムシ」、作者はこう公言する。
 昨今のウェブラノベでは全くメジャーではない、特撮、育成エッセイ、
 それに捕獲した動植物を食するエッセイ。これが作者の強みだ。
 どれも、ウェブ小説では傍流に属し、滅多なことでは日の目を見ることも
そうそうない。

 でもそれがなんなのだろう?
 自分から好奇心を抱いて、次の世代に移せるまでの飼育法を確立。
 そこに、作者の愚直とも言える探求心を感じる。

 一度レビュアーは作者に尋ねたことがある。
 「なぜ、利益が出るようなものを書かないんですか?」
 返答は「書きたいのはやまやま、でも書く時間がない。それよりも生き物を飼ってるのが。死なれた時は悲しいけど、卵を産んだとき、数が増えた時、それが何より楽しい」
 最後に、本文を抜粋してこのレビューを締めくくりたい。

「いつも、命に祈る。これまで、死なせた命に祈る。これから、生きていく命に祈る。

 自己満足と、また偽善と言われるかも知れない。

 だが、祈りながら行くしかないのだ。今は。」

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