「特に《地球》がね、自信作だった」

すらすらと読みはじめ、ふうむと考えさせられる短編です。
地球人の創造主と名乗る宇宙人に遭遇してしまった「俺」が地球外のことを教えてもらうのですが、たんたんと続く会話の端々にはシニカルなジョークが利いていて、笑いながらも様々なことを考えさせられます。

こちらの小説のおもしろいところは、《善悪》がないところです。
創造主は地球人が文明を発展させて、地上のあかりが星の光を遠ざけていることを「せっかく星を設置したのに」と多少は残念がりながらも、特にそれを責めるでもなく、かといって褒めるわけでもありません。一部の生物を家畜としたり、管理して食すこともまた《悪》と分類していません。
創造主側が同様の事を行うことについても、然り。

なんとも言えない 読後感 を残してくれる、素敵な短編です。さらりと読めるので、おやすみの前に、通勤 通学の途中にでも是非。

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