概要
「私かい。私は此処の創造主だよ」
「地球人は食べたこと、ありますか」
「あるよ。サッパリとした味だったね」
「火星人はやっぱりぶよぶよとしたゼリーみたいな食感ですか」
「何を言っているんだい、君。火星に生物は存在しないよ」
「あるよ。サッパリとした味だったね」
「火星人はやっぱりぶよぶよとしたゼリーみたいな食感ですか」
「何を言っているんだい、君。火星に生物は存在しないよ」
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「特に《地球》がね、自信作だった」
すらすらと読みはじめ、ふうむと考えさせられる短編です。
地球人の創造主と名乗る宇宙人に遭遇してしまった「俺」が地球外のことを教えてもらうのですが、たんたんと続く会話の端々にはシニカルなジョークが利いていて、笑いながらも様々なことを考えさせられます。
こちらの小説のおもしろいところは、《善悪》がないところです。
創造主は地球人が文明を発展させて、地上のあかりが星の光を遠ざけていることを「せっかく星を設置したのに」と多少は残念がりながらも、特にそれを責めるでもなく、かといって褒めるわけでもありません。一部の生物を家畜としたり、管理して食すこともまた《悪》と分類していません。
創造主側が同様の事…続きを読む