概要
“不真面目”は罪となり、笑うこと、遊ぶこと、サボること――すべてが禁止され、やがて弾圧の対象となった。
そんな時代になじめず、憂鬱な日々を過ごす駿河。
しかし、とある娯楽映画で見せた一人の少女の涙を契機に、時代が動き出す。
不真面目取り締まり組織「全平教」と、神の力を得た“堕落者たち”との戦いが始まる。
神と人間、信仰と自由、そして“楽しさ”とは何か。
不真面目の旗を掲げた者たちが、真面目な世界をぶっ壊す。
――それは、相手を「楽しい」と思わせることにあった!?
“堕落者たち”の小さな反逆が、今、始まる――――。
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第一部「邂逅篇」
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- ★★★ Excellent!!!行き過ぎた「正しさ」ーーそれは現代日本の写し鏡なのかも
全平教は宗教のようだけど神を信じておらず、ひたすら他人を監視し批判する人たちで成り立っている。
遊びや笑いは不真面目と断罪され、生き物全ての命が大事だと言って虫を殺した人を徹底的に痛めつける。いびつで本末転倒な思想なのに、他人を暴力で黙らせているせいか、いつの間にか日本中に広まっているらしい。
そんな息苦しいほどのディストピアで始まった物語が、「ガラクタ」と呼ばれる奇妙で醜い神の存在によって動き出す。
ガラクタの力をきっかけに、主人公駿河は甲斐や和奏と出会う。
全平教に徹底的に痛めつけられ、感情を押し殺していた駿河たちが仲間を得て徐々に笑いを取り戻していく。その過程に、読んでいて心の底からホ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!常識を疑え!眩暈がするような歪な世界と戦う人間が出会ったのは!?
ディストピア・・・という言葉さえ生ぬるいような、おかしくなってしまった世界。
平和のためにと他者を攻撃し、平等のためにと他者を迫害する。
しかも論理も一貫性もなく、正気を持った人から見たら滅茶苦茶な理屈。
でも99.9%の人が「それが正しい」と言えば、残りの僅かな「正気」の人が狂人にされる・・・。
そんな恐ろしい世界で、正気を保ったまま抗う主人公たち・・・。
正気・・・正気かなぁ。
いや、ちょっと変わってるかも知れない。
特に主人公の仲間(?)のうちの一人(?)はかなり変わってますね。
でもそんなハチャメチャこそが、このおかしな世界と戦う鍵なのかもしれない。
恐ろしい世界で、ドタバタ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!押し付けられた正義に抗う物語
ある日突然、日本中の人々が洗脳されたかのように「真面目」になった。
娯楽は罪であり、笑いは罪であり、遊ぶことも、おしゃれすることも、酒を飲んで憂さ晴らしすることも「不真面目」として切り捨てられた。
そんな世界で「不真面目病」のレッテルを貼られた主人公、駿河は出会った神「ガラクタ」と共に「生真面目病」に覆われた社会に抗う。
だが、神の力を振るえば直ちに元に戻るような安易な物語では無い。
少しずつ、少しずつ、仲間を探し、洗脳された人々をもとに戻す術を探して。
押し付けられる一方的な正義の理不尽さと、それに抗うことの厳しさと。
この作品に描かれるほどでなくとも、大なり小なり正しさを求められる社会に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ここに暴かれる正しさという幻
「真面目であること」を良しとされる行き過ぎた日本を舞台にした本作は、“不真面目病”など独特かつ一本筋の通った価値観が序盤から丁寧に示されていきます。
美しくも歪み、優しくも不穏な空気が漂う物語の中で、読み手の気持ちを明るくしてくれるのが、魅力的な登場人物たち。
彼らのユーモラスな対話はどこか懐かしく、ふと童心に帰らせてくれる柔らかな導きがあります。
個人的に惹かれた「居酒屋ゆうちゃん」は、SFの中にもこの日常的な世界の暗喩として機能していて楽しく読めました。
真面目とは何か? 常識とは何か?
かのジョージ・オーウェルは「1984」で暴走した社会の危うさを現代に示唆しましたが、本作に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ぶっこわせ、一方的な価値観!
真面目すぎる世界で、「不真面目」は病気として処理される?!
そんな社会で、ガラクタのように扱われながら生きる警察官・駿河と、“神的な存在”が動き出す――。
笑いや涙すら不健全とされる空気の中で、駿河はそれにどうにも馴染めない。
冒頭から、とにかく世界の空気が異様です。
主人公もヒーローではなく、むしろかなり情けない。
でもだからこそ、この息苦しさがダイレクトに伝わってくるのです。
現在第3章終盤まで読み進めていますが、「正しさ」が暴走した世界に対して、“間違い”であるはずの不真面目が、逆に人間らしさを取り戻していく構図になっていく気配があります。
面白いです。
とくに、“神的な存在…続きを読む