ロボットに育てられた少女

作者 深海 映

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146人が評価しました

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★★ Very Good!!

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人間らしさ、という言葉がありますが、それは人間側のエゴによって生まれたものなのかもしれないですね。生まれが人間であること以上の意味は、その言葉に込めるべきではないのかもしれない。

短いながらもまとまった物語であり、人間とロボットの狭間について考えさせられました。

★★ Very Good!!

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産まれた環境や育まれた性質は変えることはできない。それでも自分らしく、どう生きるか……。
人間社会へ、ロボットに育てられた少女が放り混まれるという本作はSFの狼少女。
人がロボットに育てられるという話は多い。けれども、ロボットに育てられた少女が人間社会に溶け込む苦悩や周囲の反応を書いたものはあるだろうか? そういった物語に自分が巡り会えていないというのがあるが、非常に興味深く感じられた。

★★★ Excellent!!!

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 これはあくまで個人の憶測の域を出ないが、この物語で作者は自身を規定するものの不安定さに焦点を当てているのだと思う。「自分らしく」「大人らしく」「女らしく」そういった言葉が曖昧だと主張しているように見える。

 行動や振る舞いが人間の見た目と釣り合うかという「人間らしさ」。生を実感しているかという「人間らしさ」。後者は機械と対比して「生物らしさ」と捉えてもいいのかもしれない。

 着目する面によって変化しうる「らしさ」などに頓着するより、自分を貫く意志を持て。そんな想いを感じました。

★★★ Excellent!!!

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ロボットによって育てられた少女。
狼に育てられた子供の話は有名ですが、この作品も読んでみると実に考えさせられるものが有りますね。
人の生き方として何が「人らしい」ものなのか…。
それは我々が馴染んで来た社会の中で「常識」という擦り込みが為されて持っているだけのものなのかもしれません。
倫理、道徳などといった問題も有りますが、生き方や価値観といったものは他人に押し付けられるものではなく、その人自身のものである…。改めてそう感じさせてくれる、実に哲学的なお話でした。

★★★ Excellent!!!

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狼に育てられた狼少女とか、動物が赤ちゃんを育てるというのは現実にも聞いたことがありますが、もし「ロボット」が人間を育てたらどうなるか――というSF短編小説。

その子の感情は? 言葉は? 人間らしい暮らしができるようになるのか? もちろん正解なんてない問題ですが、一つの答えとして、とても面白く読むことができました。

★★★ Excellent!!!

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同じものを食べ、同じものを見、同じ言葉を話す。それが社会というものです。常識を標準化することによって社会を円滑に回すことができるようになります。

それは個人にとってとても窮屈なものです。しかし全ての人が自分勝手に行動したら社会は成り立たないでしょう。それは個人にとっても困ることです。人間の生き方というのは本質的に矛盾を抱えています。

この作品の「少女」は、ロボットに育てられたことで一般の人よりも大きな矛盾に直面することになります。

自分はどう生きるべきなのか。考えさせてくれる作品です。

★★★ Excellent!!!

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昔、狼に育てられた双子の子供と言う話が世間を賑わせた事があるそうです。捨てられた子供を拾った狼がその2人を大事に育て、暮らし方を教え続けた……やがて狼は人間に殺され、子供たちは人間の生活へ戻った。物語はこう続きますが、果たして本当にそれで良かったのか、親から引き離された双子は幸せだったのか……。

この物語で焦点が当てられている少女も、まさに同じ状況なのかもしれません。無機質な世界は確かに人間にとっては異質極まりないものかもしれないですが、その当事者から見るとどうなるのか……。価値観の違い、思い出、様々な概念に対する疑問を突きつけてくる、良質な短編作品です。

★★★ Excellent!!!

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冒頭から面白そうな雰囲気が漂っていましたが、最後まで一気に読まされました。

長編としても、ぜひ読んでみたい作品です。

現代風なSFも僕の好みと相まって、作者の別の作品さえ読んでみたいと思いました。

次の作品に期待を込めて、星3つ送らせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

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タイトルどおりの内容ですが、その結末に考えさせられます。

狼に育てられた、あるいはジャングルブックなどが有名ですが、これは似て異なるストーリーです。

いずれ、ホームヘルパーなどの機能を持ったロボットが今後出てくるかもしれません。

その時、私たちはどうするのでしょうね。

★★★ Excellent!!!

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他の人と違うのは異質、他の人と違うのはダメ。そんな風に思うのが社会だと思うのですが、自分らしさを殺して大勢のなかに混り、自分を殺して生きることは意味があるのだろうかと考えさせられた物語でした。これが自分と胸を張って生きられること、これこそが人としてのあるべき姿なのではないかと希望をくれる物語です。お読みください。

★★★ Excellent!!!

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ロボットに育てられた少女は、どうにも「人間らしさ」が欠けていた。
さまざまな情操教育が試されるものの、成果ははかばかしくない。

人間の価値観は多様です。
マジョリティが全面的に正しいわけではありません。

「自分らしさ」を手に入れた彼女が、逆説的に「人間らしさ」をも身に付けた。
短い作品の中に込められた深い意味合いに、なるほどと唸らされました。

★★★ Excellent!!!

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人は12歳までに自転車の乗り方を覚えなかったら二度と自転車に乗ることはできません。何が言いたいかというと成長してからじゃなきゃできない学習と幼少期しかできない学習があるということです。
この話はその特徴をうまく利用していて幼少期のころにだれもが自然と導き出す「人間らしさ」について考えさせられました。アメリカ人が幼少期から英語を覚えたからその人は普段英語を使うのと日本人が幼少期に日本語を覚えたから日本語を使うという差と同じように、育てられた環境によって自らが考える「人間らしさ」は変わってくるのだと思った。

★★★ Excellent!!!

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短い話ですが、色々と考えさせられました。人と違った生き方を貫くには色々とパワーが必要ですが、それをものとせず、他人に迷惑も掛からないのであれば、自然体が一番幸せだと思います。

★★★ Excellent!!!

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このお話しを読んで思い出したのが「ライオンに育てられた少女」の話。けれどこちらは実際にあったニュース。ライオンに育てられた子は、結局、人間に戻るよりもライオンとして生活することを選んだ。それが彼女の幸せだった。
人間とは、自分たちの価値観を押し付けたがる生き物だ。自分たちの考え方が絶対正義だと信じて疑わない。けれど、そうではないことを本作は教えてくれる。
ロボットに育てられた子はロボットとして生きていくことが相応しい。他人が価値観を押し付けることは害悪以外の何ものでもない。
これは、色んなことに言える話。

★★★ Excellent!!!

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読みやすく、感情移入しやすく、共感しやすい素晴らしい短編でした。
人間の個性について深く考えさせられる話でありながら、ミライがロボットと再会するシーンは震えるものがあり、エンターテイメント的要素も確かにあると思いました。
過不足ない文章で強く引き込む筆力には脱帽です。

★★★ Excellent!!!

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普段は短編に星MAX2つなのですが、これは文句無しで星3つだと思いました。それほど完成度が高いと思います。
唐瀬大さんがレビューしていますが、テーマ有りきで、最短距離で結論に至ります。無駄が無く、それでいて無味乾燥ではない。
自分でレビューを書きながら思いましたが、この作品は主人公のような短編だと思います。
そのテーマは「人間とは?」だと私は解釈しました。主人公が自分の道を探り当てられて良かったです。もしハッピーエンドでなかったら、後味が悪かったでしょうから。

★★★ Excellent!!!

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面白かったです。
最後の一文に達するまでの過程が丁寧に描かれています。人間性とは何か、というテーマも個人的に好みだったので、結論にすんなりと共感できました。
人らしくある、または人らしくない、そのどちらも突き詰めて生きていけるのが人間の奥深さに思われます。それを再確認できる素敵な物語でした。

★★★ Excellent!!!

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まず一つのテーマがあり、そこに向けて物語が進み結実させていく……まさに短編のお手本のように見事にラストが決まっていて、読み終えて気持ちがよくなります。
ここまでテーマが明白で、作者さんの伝えたいことが読み手にしっかりと伝わる作品って、案外少ないのではないでしょうか?
思いついて書いてみた――的な話も昨今では多いですが、この作品のような芯のある短編に出会うと、改めてテーマの大事さを感じさせてくれるのです。

★★ Very Good!!

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 SciFi杯1605連動企画としてのレビューです。
 SciFi杯1605についてはこちらをご覧ください:
https://sites.google.com/site/scifihai/home/scifi1605

 狼に育てられた子供が思い浮かぶ。ただし、これはどうやら実際の話ではないようだ。
 そこで他に思い浮かぶものは、「火星の人類学者」(オリヴァー・サックス)に収録されている自閉症の動物学者の症例、逸話、あるいはエッセイだ。どのように似ているという話ではない。ただ思い浮かぶという程度のものだ。

 人間らしさという概念は難しい。私が、あるいはあなたが、誰かを人間らしいと感じるとき、それはどのような基準でそう判断しているのだろう。それはつまるところ、私が、あるいはあなたが、その誰かの言動や思想に共感や理解ができるかというところだろう。それは逆に、私の、あるいはあなたの共感や理解から外れた誰かをどのように見るかという問題にもなる。まずは、自分の理解の範疇に収めようと働きかける。だが、それが機能しない場合もある。その場合、どのように見るかは、簡単な話だ。例外として扱う。例外としてしまえば、それはもはや共感や理解の対象とする必要すらない。その際に使う言葉は、非常識、集団行動ができない、異常者などなどといろいろとある。
 それは、「私は何者か」という疑問にすら適用される。「私自身」すら、実際のところ、理解の範疇の外にある。そこで使うのが、どのようなグループや社会に属し、どのような地位であるかだ。そこには何かしらの人間らしさは微塵も要求されない。ただ、「私」という幻想があるのみだ。
 そうして考えると、この作品の少女は幸運だろう。理解しようという人々に恵まれている。そして、少女自身が「私は何者か」も見付け、受け入れている。
 だからこそ、「あなたは誰なのか?」という疑問を…続きを読む