切なくて、あるいはくすぐられるように愛おしくて、目が眩む。

一番好きなフレーズは、『月明かり雨』。
著者自身が雨なので、雨が降っては月の君に出逢えないが、お天気雨のように『月明かり雨』もあるのだと。
また、『恋るす惑星』のような、ロマンティックな言葉遊びも面白い。
一つ一つのフレーズが、いつしか置き忘れてきた少女や少年の心をハッと思い起こさせてくれるような、透明で綺麗な何かで出来ている。
かと思えば、その置き忘れてきた心のまま、強かに恋心を弄ぶ純粋な片想いが飛び出したりもする。
著者がよくなくしてしまうと語っている、気に入りのおもちゃの指輪のような、大切な言葉に溢れている。

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