概要
やる気なし。使命なし。協調性なし。物欲と食い気とプライドだけはある。
奇跡の御業とされた導術が技術に優位性を奪われ半世紀近く。竜の多くは爬虫類に再分類され、エルフは人種の一つとして数えられ、魔術師がありきたりなSF小説だけの存在になり果てた時代。
高層ビルが建ち並び、電車が走り、電子マネーが普及した今でも、なんだかんだ導術もしぶとく生き残っていた。
イルマは導術に用いる道具、即ち導具の古物を売買する古導具商。導具を見極める優れた才能を持つが如何せん商才と金銭感覚はなく、経済的な余裕はいつだってない。そして古導具店の従業員であり助手でもある少女ユラハは、金にがめつく、プライドが高く、何より愛想がない。
そろそろ第二のモラトリアムとも言ってられなくなってきた三十代前半の兄ちゃんと、夢見がちどころか冷たいほどにリアリストな十八歳の少女が、今日も金のため、飯のため、
高層ビルが建ち並び、電車が走り、電子マネーが普及した今でも、なんだかんだ導術もしぶとく生き残っていた。
イルマは導術に用いる道具、即ち導具の古物を売買する古導具商。導具を見極める優れた才能を持つが如何せん商才と金銭感覚はなく、経済的な余裕はいつだってない。そして古導具店の従業員であり助手でもある少女ユラハは、金にがめつく、プライドが高く、何より愛想がない。
そろそろ第二のモラトリアムとも言ってられなくなってきた三十代前半の兄ちゃんと、夢見がちどころか冷たいほどにリアリストな十八歳の少女が、今日も金のため、飯のため、
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!この二人のコンビが小気味よく、かっこいい!
古導具店「アンダンテ」の店主イルマと従業員の少女ユラハ。
日々店内で皮肉の応酬を行う二人の元に、様々なお客さんがやってきます。けれどどのお客さんも何か一筋縄ではいかないトラブルを抱えており、二人は巻き込まれる形で、「導術」という魔法とも科学技術ともつかない術の「導具」にまつわる様々な事件に挑んでいきます。
現代に似て非なる技術が発展した世界や「導術」について細部まで作り上げられていて、読み進めるごとに物語にのめり込んでいけるので面白いです。個人的には「導術」の用語集があったらぜひ読んでみたい、とも思います。発動する場面の描写が緻密で見事です。
とにかくイルマとユラハ、二人のコンビが…続きを読む