概要
この世に雪より白いものはなく、手紙より美しいものはない。
夜を吸い込んで真っ黒な看板、来客を知らせるにはシャイすぎる鈴、ブーツの踵と共鳴する木の床、深い赤茶色のカウンターテーブル、一番おしゃべりな黄みがかったライト、奥の暗がりで出番を待つスピリッツやリキュールの瓶、そして一言も言葉を口にしないマスター。忘れられた路地の酒場”BAR SHIZUKU”で二人は出会い、ギムレットで乾杯をした。この世に雪より白いものはなく、手紙より美しいものはない。不器用な生き様を貫こうとした二人の奇妙で静かな物語。
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