作り物のイチゴ味を君に。

 そのキャンディーは、甘いイチゴ味。それと同時に人工的な嘘の味がした。
 主人公はクラスの人気者の女子に、「友達になって」と声をかけられる。苛ついていた主人公は、彼女に酷い言葉を返した。保健室嫌いな主人公が図書館に行くと、彼女が書いた物語と出会う。
 主人公はコンビニでイチゴ味のキャンディーを買い、彼女に渡す。言い過ぎたと思ったからだ。しかし、友達にはならなかった。仮面の笑顔で、広く浅い友人関係を結ぶ彼女を、どこかで嫌悪していたからだ。
 やがて二人の距離に、徐々に変化が現れる。
 しかし、彼女は唐突に主人公の前から姿を消す。
 学校や世間を驚愕させる彼女の本当の姿とは――?

 とても読みやすい文体で、淡々としている文章なのに、胸に迫ってくるものがありました。切なくも衝撃的なラストとなっています。

 是非、御一読下さい。

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