【短編】ストロベリーポップキャンディー。

作者 五水井ラグ

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★★★ Excellent!!!

嵐の日の朝、突然ハルに話しかけてきた、アイドル的な存在のクラスメイト・十時 楓。
彼女は自らを「ふう」と読んで欲しがり、ハルは頑なに「かえで」と呼び続ける。
十時 楓とハルの、少し不思議な言動。彼女は何を望み、彼は何を嫌ったのか。
その意味が分かったとき、言い様のない絶望感と、作者様の表現の巧みさに心が動かされます。

★★★ Excellent!!!

嵐の中、雨に濡れて学校へ到着した高校生ハル(五十嵐晴)に、突然話しかけてきたクラスメートの少女。
今まで接点もなくハルに注意を向けてくることもなかったはずの彼女は、彼に友だちになって欲しいという。
けれどハルはすげなく拒絶する。彼女に、「嘘つき」とまで言葉を投げつけて。

ハルの強い拒絶の底にあるもの。「風と木って、似てるよね?」という、クラスメートの少女の奇妙な言葉の意味。その二つがわかった時、物語は読者であるこちらへ、長く引き攣れた痛みの、爪痕を残していく。

巧みな構成と譬喩による暗示を駆使して書かれたこの物語は、流し読みではその真の味わいはわからない。

ただ、
『読まれて欲しい。』
『読み込まれて欲しい。』
……そう思う。

★★ Very Good!!

僕はこの作者の文章が好きだ。一つ一つの鋭い表現が時折、心を抉る。抉られて痛みを感じる時もあるけれど、それ以上に心地良い。読者を惹き込ませてくる。こんな文章を書ける作者は、そうそういないと思う。表現だけならプロとも遜色ない。読む度に凄いと思う。紡がれた言葉に驚かされる。ここまで書いてみると、褒め過ぎな気もするが、仕方がないじゃないか。僕はこの作者の文章が好きなのだから。

★★★ Excellent!!!



ずしん。音をたてる。物質ではない球弾《たま》が突き刺さる感覚。そうだ、これだ、言い表せないものを描く、この人の書くコトバはダイレクトに急所《深いところ》にあたる。感情を。感性を。記憶を。意思を揺さぶる。読み流すことは出来ない。一文字だって。

大切な作品です。ありがとうございました。

類を見ないような物語の構成にも目を見張りましたが、読了すぐには冷静な思考は難しいです。