彼らには何かが足りない――だからこそ、その欠落を――埋め合わせるために――或る情熱に、憑りつかれている。暴力的な関係を――取り結ぶ、ということに――そして、惨たらしい悔悛を――忘却の彼方に――置き去りにする、ということに。したがって、この情熱は――横溢することになる。――抜け落ちたものを、埋めようと躍起になって――破滅し、やがてもう――取り戻すことは、不可能になる。
精進していきます。
「蟻の枝」「蝉の死骸の日記」「これはひどい」「ミミのしっぽ」という4つの短編で構成されているんですが、それぞれの話が象徴的な場面の連続になっていて、表層に描かれていることより、もっと深い何かを伝えよ…続きを読む
ネットではあまり見かけない正統派の純文学を読めてとてもよかったです。今のところ「蟻の枝」まで拝見しました。夏の日差しの光と影が交互に眩しく当たるような文章で、突き放したような「わたし」の語り…続きを読む
『蟻の枝』生命に対して人は本来無力であることを、まだ知らない子どもの、無責任な残酷さ。『蝉の死骸の日記』淡々とつづられる記録の最後の一文の意味は。次の話と併せて読めば、秀逸。『これはひどい』演じら…続きを読む
淡々と語られる文章からは、迫りくるように激しい感情がこちらの気持ちを抉るように表現されていました。心の奥にくすぶる何かは、言葉にすることもままならず。ただ、感情が熱く、苦しいほどです。ミミのし…続きを読む
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