概要
ぼく小説@90年代;純文学。
純文学です。読み易い小説ではありません。
共感頂ける方だけにこの言葉が通じるのだと思います。
それはほんの一握りの方達だけなのでしょう。
それでもその方達のために、ここに置いて行きます。
共感頂ける方だけにこの言葉が通じるのだと思います。
それはほんの一握りの方達だけなのでしょう。
それでもその方達のために、ここに置いて行きます。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ただ、待望する
電話を待つ――受話器を耳に離さずに。ダイヤルもせず――ただ、電話を待っている。
ずっとずっと――僕だけを、彼女が待っている、愛しそうに――と憧れて。
ひたすら――重い沈黙のなかで、彼女が笑っている。嬉しがる、白い歯を見せる――僕のことを見て。やがて、彼女の瞳の中に、僕が映る――、ということを夢に見る。――朝、彼女の手を握りしめる、夕方の遊園地、僕たちだけ、足を止めている、そして、彼女を抱き寄せる――沈黙が回復する。無機質な信号音だけが――僕の耳に聴こえる。ダイヤルを回さず、受話器を置く。愛してる――ということばは殺される、跡形もなく――冷淡な、彼女の瞳によって。あの薄い皮膜に覆われた、氷によ…続きを読む