筆者と同名の主人公!バラバラ死体!短編ミステリの最高峰。

まず何よりも、短編でこれをまとめた手腕に舌を巻きました。

作者と同名の登場人物が出て来るのは、ミステリーでは伝統。
また、作者自身もゲーム会社勤務なのでしょう。高知県の方言も達者なもので、現実と虚構をオーバーラップさせる「作者同名演出」は成功していると言えます。

不可解でおぞましいバラバラ殺人の冒頭と、一見無関係なゲーム会社のミッシングリンクをさり気なく張りめぐらせる筆力も堂に入ったもので、ところどころ挿入される実在のゲーム知識やミステリ作家の薀蓄など、ニヤリと出来る小道具も満載。

作者の遊び心とインテリジェンスを惜しみなく凝縮させた、秀麗な短編です。
感服。

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