ゲーム業界に潜む猟奇

ゲーム会社で働く登場人物の描写が程よく綿密で、会社内部の何気ない情景の切り取り方も上手く、読者に没入感を与えることに成功している。それが結果として、作品の「リアルさ」やストーリーの説得力に繋がり、深みのある作品に仕上がっていた。
サスペンス寄りの作品で推理要素は少なめだが、テーマと響き合う叙述トリックでも仕込めば、『殺戮にいたる病』のような小説にもできそうで面白い。

また、個人的には「光田寿」という、作者と同名のキャラクターに魅力を感じた。テンポと勢いが良い軽妙な語り口のセリフは、生活感を感じさせながらも、現実を一歩引いた視点から笑い飛ばしているような、独特の雰囲気がある。

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