人はこうまで凶暴になれるものか。

生き物を殺すと言う事。

この小説はその残虐なまでの過程が緻密に描かれている。描き切っている。書き貫いている。

少し触れただけでぷつりと切れてしまいそうな、繊細で可憐な殺戮がそこに一本の糸としてあり、そしてこれからも伸び続ける。

英雄譚がドラゴンを屠ったところで終わるのではなく、その瞬間から始まるってのが読ませるなあっと、とにかくきれいな文章でした。ぐっと来る。

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